ハマス襲撃を許したイスラエル「4つの大失敗」 中東随一の「セキュリティ網」なぜ突破された?

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長年、イスラエル南部の地上部隊を指揮し、2003年から2005年までイスラエル国防軍の作戦部長を務め、最近、戦争のために再び予備役として採用されたイスラエル・ジブ退役少将によれば、この体制が整ったことで、軍はヨルダン川西岸を含む他の懸念地域に兵士を移動させ、部隊の数を減らし始めたという。

「部隊の間引きは、フェンスの建設と、あたかもフェンスが無敵で何者も通過できないかのようなオーラを醸し出していたため、合理的に思えた」とジブは話す。

遠隔操作システムの「脆弱性」

しかし、遠隔操作システムには脆弱性があった。遠隔操作で破壊することも可能だったのだ。ハマスがその弱点を利用し、監視システムとの間で信号を送受信する携帯電話の電波塔を攻撃するためにドローンを飛ばしたと、関係者や、7日にハマスによって利用され、ニューヨーク・タイムズによって分析されたドローンの映像は示している。

携帯電話の信号がなければ、システムは役に立たない。前線後方の司令室に配置された兵士たちは、ガザとイスラエルを隔てるフェンスが破られたという警報を受け取れず、ハマスの攻撃者がバリケードをブルドーザーで壊している場所を映したビデオを見ることもできなかった。さらに、バリアはイスラエル当局が予想していたよりも簡単に突破できることが判明した。

そのため、1500人以上のハマスの戦闘員が国境沿いの30近い地点を突破し、そのうちの何人かはハングライダーでバリケードの上を飛び、少なくとも4つのイスラエル軍基地に到達した。

イスラエル政府関係者の1人が公開した写真によれば、多数のイスラエル軍兵士が宿舎で寝ているところを銃撃された。中には下着姿の兵士もいた。

第2の作戦上の失敗は、陸軍ガザ師団の指導者たちが国境沿いの1カ所に集まっていたことだ。イスラエル政府関係者2人によれば、基地が制圧されると、幹部のほとんどが殺されるか、負傷するか、人質に取られた。

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