「古文疎かにした社会人」先を読む力が乏しい理由 古典を読むことで、物事を推測できるように

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そうなったら、「荒れている村」が変化し、「清廉潔白な役人」が活躍する物語・「B 役人は荒れている村を平和にした」という展開になると想像できるわけです。

文章を早くて正確に理解する読解力がある人は、このように文章の型を自分にインストールしていて、文章を読むときに「こうなるだろう」と類推しながら読むことができるわけですね。

そして、その型を理解するための訓練として、「昔の作品」を理解するのが有効です。

現代の作品の源流は、古典作品の中にある

すべての作品は何かの模倣である、とよく言われます。世界最古の長編物語文学といわれる「源氏物語」の中には、昨今のラブロマンス小説・または少女漫画の展開というのが大体載っていたりします。

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一昔前に「好きな子に素直になれない女の子」=「ツンデレ」というジャンルが流行りましたが、「源氏物語」の葵上はまさにそんなキャラクターです。または「相手のことが好きすぎて、相手に近付く他の女の子のことを憎悪してしまう女の子」=「ヤンデレ」というジャンルもありますが、「源氏物語」の六条御息所などはまさにピッタリ「ヤンデレ」なキャラクターだと言えます。

現代の作品の大本・源流というのは、結局、古典作品の中にこそあるわけです。だからこそ、みなさんが文章の型を理解するためには、実は現代文よりも、古典作品の方が理解しやすいという場合があるのです。古文や漢文などの方が、ストーリーの流れが追いやすく、型を身に付けやすいのです。

ということでみなさんぜひ、型を考えながら、そして古典作品も読んでみましょう。そうすれば、きっとこれからを生きるうえで必要になる読解力が身に付いていくと思います。

辻 孝宗 西大和学園中学校・高等学校教諭

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つじ たかむね / Takamune Tsuji

西大和学園中学校・高等学校教諭。1975年生まれ。岐阜出身。国語科教師として、20年余り、西大和学園の国語を率いている。常に新しいスタイルで展開される授業の人気は高く、定員40人の放課後講座に280人が申し込んだことも。その授業は楽しいだけでなく、最小限の努力で常に学年を全国1位にするので、生徒だけでなく教員にも信奉者が多い。

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