石けんの売上を6倍にしたあるシンプルな行動 顧客に商品の強みを伝え切ったウタマロ石けん

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「子どもの靴下の泥汚れがよく落ちる」という強みを確実に伝えるために、ウタマロ石けんが取った施策とは(写真:Anjie/PIXTA)
当然ですが企業にとって「売上を上げる」ことは存続をかけた大問題です。しかし、「売上を追っても売上は上がらない」と断言するのは、『ドリルを売るには穴を売れ』などのベストセラー著者でマーケティング・コンサルタントの佐藤義典さん。『顧客の「買いたい」をつくる KPIマーケティング』の著書もある佐藤さんに、戦略的な売上の作り方を聞きました。
今回は「強み」を伝え切ることで売上を10年で6倍に伸ばしたウタマロ石けんの事例を取り上げます。その「急所をついたKPI」とはなんだったのでしょうか。

「子どもの靴下の泥汚れ」を落とすウタマロ石けん

株式会社東邦が販売する「ウタマロ石けん」は、子どもの靴下の泥汚れがよく落ちる石けんとして知られ、お子さんがいらっしゃる家庭の必需品です。

私にも娘がいますが、娘が幼稚園児だったときに欠かせない石けんでした。小学生になった今でも使っています。

『ウタマロ石けんは2017年に16年比8%増の1271万個を販売。10年前から販売個数は約6倍に拡大』(2018/11/23、日経MJ、1ページ)

10年間で6倍とはすごい成長、知られざる大ヒット商品なんです。

しかも、「洗濯用の石けん」という衰退市場にいる商品であるにもかかわらず、です。

この急成長のヒミツはなんでしょうか?

まず、製品としての魅力はその洗浄力の高さです。具体的には「子どもの靴下の泥汚れ」を落とせるのです。

小さな子どもは、靴下を汚して帰ってきます。私の娘も幼稚園時代、帰宅すると靴下の裏が真っ黒になっていました。

この「子どもの靴下の泥汚れ」は、洗濯機ではよく落ちません。汚れ落ちをアピールしている洗剤でも、です。ですから「子どもの靴下の泥汚れ」は親の悩みの種です。

しかし! ウタマロ石けんで靴下の汚れているところを部分洗いしてから洗濯機で洗うと、落ちなかった泥汚れが魔法のように落ちるんです!

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