石けんの売上を6倍にしたあるシンプルな行動 顧客に商品の強みを伝え切ったウタマロ石けん

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そしてそれが3Cというフレームワークの限界でもあります。「強みをどのようにお客様に伝え切るか」という「メッセージ」という要素を欠いているために、現実では使いにくいフレームワークになってしまっています。

「試す」ことで「買いたい」が生まれる

そこで、ウタマロ石けんは強みをお客様に「メッセージ」として「伝え切る」ために素晴らしい工夫をしました。

『毎週末、3人の社員が店頭やイベント会場で部分洗いを実演しながらサンプル品を配布。サンプル品の数は年間50万個に上る。東邦の売上規模は約20億円、従業員数45人だが、大手日用品メーカーの液体洗剤で一般的なサンプル配布数と肩を並べる。「実際に使ってもらい、部分洗いを実感する体験を通じて魅力をアピールする」(西本社長)』(2018/11/23、日経MJ、1ページ)

汚れが落ちる実演をし、サンプルを配布して売上を伸ばしているんです。年間50万個のサンプル配布というのは顧客ターゲット(小さな子を持つ親)の数を考えれば、すさまじい数です。

ウタマロ石けんの「強み」を伝え切るためには、実際に使ってもらうことが極めて有効です。「子どもの靴下の泥汚れがよく落ちる」という「強み」は、実際に使ってみればわかるのです。使ってみるとその汚れ落ちの良さに驚いて、買いに行くわけです。

ウタマロ石けんはもともと持っていた強みを、お客様に「伝え切る」ことで「あなたから買いたい」を作り、10年で販売個数を6倍まで伸ばしてきたのです。

ここで、下図をご覧ください。

(C)Yoshinori SATO 『顧客の「買いたい」をつくる KPIマーケティング』より

この図の中で、ウタマロ石けんの課題となっていたのは、中央部の「子どもの靴下の泥汚れが落ちることを伝え切る」ことです。それを「お客様に実際に試していただく」という方法で実行しました。

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