「学校80校をリノベ」台湾がデザインを重視する訳 政府関連機関が「法廷の空間デザイン」まで手掛ける

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「學美・美學」によってリニューアルした小学校の食育用空間(写真提供:台湾デザイン研究院)
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デザインを重要な国策として位置づけている台湾。その策定のサポートや、政府各所や企業とデザイナーのマッチングを行っているのが、政府関連機構の「台湾デザイン研究院」です。
今回は台湾デザイン研究院で院長を務める張基義氏に、台湾デザインの潮流やデザイン研究院が推進する施策、そして今後の展望をお聞きしました。

政府関連機構「台湾デザイン研究院」の成り立ち

──デザイン研究院について、成り立ちも含めて教えてください。

台湾には、総統直轄の「中華文化總會(GACC)」、文化部(文化庁に相当)直轄でコンテンツ産業を担う「文化內容策進院(TAICCA)」など、文化関連の政府関連組織がいくつもありますが、私たち「台湾デザイン研究院(TDRI)」は、経済部(経済産業省に相当)に所属し、グラフィックや空間、展覧会やアワードなど、デザイン領域を広くカバーしています。

経済部に所属しているのは、台湾のデザインが主に主力産業の製造業とともに発展してきたという背景があるからです。台湾の製造業は、昔から OEM・ODMなどの受託生産をメインにしてきましたが、近年では2代目、3代目へと代替わりし、工場やメーカー自らがブランドを持つことが多くなってきました。

そうした背景から、2003年にデザイン振興組織として設立されたのが、前身となる「台湾デザインセンター」です。2020年に院へと昇格し、人数や体制を強化して、国策策定のサポートなどの業務を行うようになりました。現在の主なミッションは、公共サービスのイノベーション、民間事業のイノベーション、デザインを社会に反映するソーシャルデザイン、そしてデザインによる外交の4つです。

「松山カルチャー・クリエイティブパーク」内にオフィスをかまえるデザイン研究院(撮影:Jimmy Yang)
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