外国人投資家は意外にも岸田政権を支持している 「国策に売りなし」、10月は相場格言で攻めよう
しかも、アメリカに比べて日本のファンダメンタルズ(基礎的条件)は良好だ。周りを見渡しても中国は「景気低迷」、欧州は「スタグフレーション(景気停滞と物価上昇が同時に起きること)」であることを考えると、日本は世界の投資資金を集める魅力を十分持っている。
しかし、残念ながら日本人の習性として、変化は外圧によって起きる例が多い。とくに国民は、日本の政治家に対する尊敬の念が薄い。今のところ、政権が唱える5つの政策(物価対策、賃上げ実現、国内投資の促進、人口対策、防災対策)に対する評価も極めて低いままだ。
「国策に売りなし」は依然有効
そこで、筆者が紹介したいのが、「政策に資金を乗せろ」(国策に売りなし)だ。実は、アメリカに本拠を置く大手運用会社ブラックロックなど、世界の名だたるファンドは国内勢よりもはるかに高い評価をこの政策に与えている。
世界は物価上昇を抑えるために、ハードランディングの危険を冒してまで利上げ・引き締め政策をとっている。だが、日本は前向きに政策を実行する環境にある。もちろん、今後どれだけの成果が出るかはわからない。だが、まずこの政策に資金を乗せるのが先人から学んだ知恵だ。
さて、主な今週の予定を見てみよう。前出のように10月の立ち合いは2日から始まる。ここで出てくる相場格言は「2日新甫は荒れる」だ。商品相場発祥とされる格言で、月の取引の最初の日が1日ではない月は荒れるというものだが、アメリカの議会は「閉鎖回避」となったことで、むしろ買いが入るかどうか注目される。
一方、2日は寄り付き前に日銀短観(9月調査)も発表となる。大企業DIの製造業がプラス6、非製造業はプラス24と予想されている。
また、アメリカの指標は注意したい。2日の9月ISM製造業景況感指数は8月の47.6を上回るかどうか。3日は8月JOLTS求人件数、4日の9月ADP雇用レポートや9月ISM非製造業景況指数も市場に影響しそうだ。週の最後は6日の9月雇用統計だ。政府機関が閉鎖となっていれば、データが出なかった。だが無事に出てくることになって、やれやれだ。
とにかく、直前の急落で買った投資家には十分な余裕ができたことだろう。10月相場に期待しよう。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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