SNSで「燃える企業」「燃えない企業」の決定的な差 炎上時こそ役立つ日頃のコミュニケーションとは

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現在、日本の企業では、さまざまな部門の方がSNSの担当者として日々情報を発信しています。PCやスマホの操作に詳しいというだけでIT関連部門の方が指名されるケース、広報部門の方が担当しているケース、営業部門の方が営業活動の合間にSNSを運用するケース、役員の秘書が担当しているケースなど、その形態は多種多様です。

SNSそのものの認知度や有用性が浸透し、企業情報の発信やユーザーの疑問に回答するなどのSNS特有の性質から、近年は広報部門の方が担当しているケースが多いように感じます。

SNS運用が上手な人の共通点

特に日本の企業では専業でSNSを運用するのではなく、ほぼ100%の企業で他の業務とSNS運用を兼務しています。特定の人材をSNSだけに張りつけておくわけにはいかないという企業の状況もあります。

その中でさまざまな部門からピックアップされた「若い人」「スマホに詳しそうな人」など、なんとなく得意そうな人が選ばれてSNSを運用することになる傾向にあります。

私としては、どの部門のどの職種の方がSNSをやるべきだと固定観念を持つ必要はなく、SNSが自社にもたらすメリットと照らし合わせながら、柔軟に運用する部門や担当者を指名するべきであるとクライアント様にアドバイスしています。

しかし、もし複数の従業員の中からSNS担当者を選択できる状況であれば、以下の2つの要素を持った人を選ぶことも、同時にすすめています。

①業務で直接お客様と接した経験がある人

接客の経験がある人は、何を伝えたらお客様が喜ぶのか、お客様が不満に感じている時にはどのような言葉を発したらいいのかなど、お客様の行動と感情に対するアンテナの感度が高いのです。

ちなみにここで言う「接客経験」とは、実際に店舗で接客するだけでなく、電話応対・メール・チャットなどでの対応経験も含みます。

接客業務での経験はSNS上での情報発信やコミュニケーションに反映されます。自社アカウントから発信された投稿に、他のユーザーから書き込まれたコメントに上手に対応します。また、それらのコメントに不満のタネが潜んでいると感じた場合には、コメントで該当ユーザーに対応したり、根本的な商品やサービスの改善を社内で提言するなどの前向きな行動を起こすケースもあります。

エゴサーチ(自社名や商品名を検索すること)を行い、自社に対して称賛する投稿をしてくれているユーザーには、さらに好意度を高める対応を実施。逆にクレーム的な口コミ投稿が広まっている場合には、いち早く察知して現場に報告するなどの対応をとることもあります。

SNS運用担当に向いている人とは(図解)
企業のSNS担当者に向いている人材とは?/出所:『小さな会社・お店が知っておきたい SNSの上手な運用ルールとクレーム対応』

もちろん、接客業務を経験していない人がSNSを担当し、上手にユーザーとコミュニケーションを図り、トラブルにも対応している企業もあります。

接客経験にこだわって担当者が決まらないという事態は本末転倒です。もしあなたの会社に人選の余地があれば、接客経験の有無をSNS 担当者の要素のひとつとして考えてみてください。

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