SNSで「燃える企業」「燃えない企業」の決定的な差 炎上時こそ役立つ日頃のコミュニケーションとは
状況に気づいた企業の担当者はすぐにキャンペーンを中止し、ウェブサイトに謝罪文を掲示しましたが、すでに大量に書き込まれている返信ポストと不満の声を短時間で削除することはできません。
続いて、Xにもサイトに掲示した謝罪文のリンクとともに、お詫びのポストを投稿しました。しかしその謝罪ポストにも不満の声が書き込まれる状況が継続し、混乱の出口がまったく見えない状況が続きます。多くのユーザーがXでの謝罪がさらに炎上を拡散させることになったと感じていましたが、そこに現われたのがいつも当該アカウントとコメントなどで交流しているユーザーでした。そのポストはこのようなものでした。
この擁護ポストで流れが一変しました。不満の声が荒れ狂う返信欄を見ながら同じことを感じているユーザーも多く存在したようで、その後は逆に企業を擁護するポストが攻撃的なポストを上まわる勢いで投稿されました。最終的にはこの騒動は当日中に収束することとなりました。
日頃のコミュニケーションがトラブルを鎮火する
SNSに限ったことではありませんが、普段から親しみを持っている人や企業が困っていると、有事の際には手を差し伸べたくなるものです。このケースでも日常的に軽いあいさつを交わしたり、以前企業側から「うれしいポストをありがとう」などと返信をもらっていたユーザーたちによって、大炎上に陥った企業アカウントは窮地から救われたのです。
もちろん、すべてのトラブルがこのようにうまく解決するわけではありません。また、そもそも他者になんらかの損害を与えたような事象が発端となった場合には、これほど簡単にトラブルを収束させることはできないでしょう。
しかし、この企業が普段はSNSを運用しておらず、プロモーションキャンペーンのためだけにXを使っていたら、一般ユーザーからの大量の擁護ポストが発生することなどありえません。日頃のコミュニケーションがトラブルを鎮火した事例として、SNSを活用するすべての企業の教訓としたいものです。
一方、理解を誤ってほしくないのは「トラブル時に他のユーザーに擁護してもらうために SNSを活用するのではない」という点です。
上記の例では交流していたユーザーによって企業が救われましたが、あなたの会社が同じ状況となった際に、このケースと同様にトラブルが抑えられるとは限りません。
あくまでも認知拡大・コミュニケーション・プロモーションを目的として正しく活用してください。最も重要なのは、トラブルが発生しないようSNSアカウントを運用することです。
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