SNSで「燃える企業」「燃えない企業」の決定的な差 炎上時こそ役立つ日頃のコミュニケーションとは
一方、同じ状況でSNSアカウントを運用していたらどのような対応ができるでしょうか。
まず、SNSを運用している場合、多くの企業では定期的に「エゴサーチ」を行っています。エゴサーチとは、自社名や商品名などを検索し、投稿の言及内容をチェックすることです。平時なら、自社商品に関するユーザーの使用感や不満などを吸い上げて、コミュニケーションを開始するきっかけにしたり、商品を改善するための情報として活用したりするものです。
そして、日常的にエゴサーチをしていると炎上やトラブルの種を早い段階で発見し、対応することができます。もちろん、トラブルの内容によって対処法はさまざまですが、ことが大きくなる前に対応できる状況にしておくことは、その後の処理の労力を考慮すると重要です。
また、直接話題になっているSNSの中で自社の状況や背景を説明できることも、トラブル鎮火過程において大事な要素です。例えば、Xで自社の話題が炎上している時に、その背景や考えを直接Xに投稿することで、トラブルを鎮められるケースもあります。
話題になっている内容が明らかな誤報・誤解であった場合などにも、その全容をSNSユーザーに対して直接説明できます。
明らかに自社に責任がある事象が発端となっている場合でも、過程や謝意を表明することでユーザーからの擁護を集められる場合もあります(この場合は何をしても完全に許されることは難しいですが、それはSNSを運用していなくても同じです)。
SNSアカウントでできること
普段からユーザーとコミュニケーションを図りながら、よい関係を構築しているアカウントの場合、トラブル時にSNSを活用していることの効果が見られる場合もあります。
ここで過去に実際に発生した事例をご紹介します。
当時、上手に一般ユーザーとコミュニケーションしながら影響力を拡大し、SNS運用のお手本として紹介されるような有名な食品企業のXアカウントがありました。
そのアカウントが自社の商品プロモーションのタイミングに合わせて、キャンペーンを実施しました。「ボット機能」(事前に設定した内容を自動的に実施する機能)を利用し、自社の商品に関するワードが含まれるポストに対し、すべて自動返信をするという設定でスタートしました。
例えば、飲料メーカーが「紅茶」というワードが含まれるポストすべてに「うちの紅茶もおいしいよ! https://....」と返信するような仕組みです。
午前中にはじまったキャンペーンでしたが、開始早々にユーザーから「気持ち悪い」「監視されているようだ」など不満のポストが発信され、数時間後にはそれらの不満が増幅し炎上状態となりました。
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