子どもを厳しくしつけても自立心が養われない訳 「甘やかす」と「甘えさせる」はまったく違う

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ここまで読んで、「子どもの要求を無制限に受け入れたら、ワガママな子に育ってしまうのでは?」と不安になった人もいらっしゃるのではないでしょうか。そう思うのは、「甘やかす」と「甘えさせる」の違いがよくわかっていないからです。

私自身も、アメリカに渡る前まではこの違いがわからなかったため、「きちんと自立した子に育てなければ」と、1歳だったわが子をなるべく甘やかさないようピリピリしていました。では、両者の違いはどこにあるのでしょうか?

「甘やかす」とは、突然ねだってきたものを言われるままに買い与えてしまうことや、まわりに迷惑をかけてまで子どもの言いなりになってしまうことです。物欲や独占欲など承認欲求とは別の欲望を満たすこと、と言ってもいいでしょう。これでは、ただのワガママを育てることになってしまいます。

一方の「甘えさせる」は、子どもの要求をすべて飲むことではありません。子どもの心を満たす行為です。

「抱っこしてほしい」「絵本を読んでほしい」「手伝ってほしい」など、子どもが親との関わりを求めてきたときに、その欲求を叶えることで心を満たすわけです。

こういった欲求については、何歳になっても応じていいのです。そのせいでワガママな子に育つことはありません。むしろ、次のようなメリットがあります。

・自分の弱さを見せられる安心感から親を信頼できるようになり、情緒が安定する
・人の弱さを理解することで、まわりの人の「甘え」も受け入れられ、やさしく育つ
・「自分は無条件で愛されている」という自己肯定感が高まり、意欲が湧く

心が満たされることで、自立、そして自己実現に向かうエネルギーが生まれることを理解していただけると思います。

私自身が、それを実感したエピソードがあります。

朝のサポートが自発的な行動につながった

お子さんが朝の支度をしないことにイライラしてしまうこと、ありませんか?

私も離婚直後は、慣れないフルタイムワークをしながらのワンオペ家事でしたので、イライラすることがよくありました。ですから、着替えや歯磨き、登園の準備など、毎朝のルーティンを自分でやってほしいと思っていました。

ある朝、出勤の準備をしていたところ、娘が「着替えさせて」と甘えてきました。しかし、その日は私の段取りが悪かったせいでとても焦っていて、つい「自分でやって! 早くしなさい!」と、娘にあたってしまったのです。

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