ネット生保の先駆、ライフネット苦戦の理由 出口治明会長、忸怩たる思いを率直に語る

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「わかりやすさ」を売りにしたライフネットの保険商品は、ここ数年は勢いを失いつつある(撮影:尾形文繁)

「生命保険の契約は数十年と長く続くので、この会社はずっと大丈夫なのかと思われるのが、ベンチャーのしんどいところだ」

インターネット生保の先駆けであるライフネット生命保険の出口治明会長は、自社の逆境をそう吐露した。4月20日に発表したKDDIとの資本提携も狙いは「信用の補完」と率直に語った。

KDDIはライフネットの株式の15.95%を握る筆頭株主となる。資本提携にまで踏み込んだ背景には、業績停滞が誰の目から見ても明らかになっていることがある。

新規契約がピーク時から半分以下に

2008年5月の営業開始以来、ライフネットは赤字決算を続けている。2013年度からは、開業から5年間保険業法で認められていた事業費の一部繰り延べの資産償却も始まり(53億円を5年間で均等償却)、赤字が一段と膨らんだ。ただ契約獲得時に経費が多くかかる生命保険事業は、黒字化に時間がかかり、立ち上げからしばらく赤字が続くのは自然ではある。

問題は新規契約件数の落ち込みだ。新契約は2011年度、2012年度の6万件超えを境に減少に転じ、前2014年度はピーク時の半分以下の水準にとどまった。

新契約が減少した理由として、出口会長が挙げるのは、競争の激化だ。「池の水(ネット生保の市場)が十分に増えないのに、釣りざお(プレーヤー)が増えた」。

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