JR貨物にとって「物流の2024年問題」はチャンスか 貨物鉄道輸送150年、執行役員に聞く今後の展開

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――物流の2024年問題は、JR貨物にとっては大きなビジネスチャンスになる可能性が高いが、トラック業界との協調はどのように進めていくか。

鉄道とトラックはそれぞれに輸送距離・荷量などによって得手・不得手があるので、全面的に営業領域が競合することはない。したがって互いに補完し合いながら最適な輸送モードを構築していくことが望ましい。モーダルコンビネーション、モーダルミックスと呼ばれる考え方だ。

自然災害対策に貨物船新造

――近年、自然災害の激甚化により、主要幹線でも長期間不通になるケースが増えている。対応はどの程度進んでいるのか。

喫緊の課題であり、多方面にわたる対策を行っている。例を挙げると、まず迂回路の確保ということがある。太平洋側の東北本線・東海道本線が寸断された場合、日本海縦貫線(大阪―青森間の日本海側複数路線で構成)を迂回することになるが、太平洋側と日本海側では使用機材(機関車)が異なる。そこで通常、東北線で使用しているEH500形を日本海縦貫線への迂回輸送でも使えるようにするなどリダンダンシー(冗長性)確保の対応を行っている。2022年度までに18両のEH500形の改造が完了しており、今後、仙台総合鉄道部所属48両すべてを改造予定だ。また、迂回運転に備え、乗務員の現車訓練なども行っている。

EH500形電気機関車
日本海縦貫線への迂回輸送に使えるよう改造済みのEH500形電気機関車(写真:JR貨物提供)

また、従来とは異なる次元の対策として、総トン数499トン型貨物船1隻を新造し、物流大手のセンコーグループホールディングスと共同保有することが決定している。普段はセンコーグループが運航し、災害発生時に代替輸送が必要になったときに、当社で使いやすくする狙いがある。物流の2024年問題などを考慮すると、今後は災害時に代行トラックを集めるのが、今よりも難しくなる可能性があり、自社で船舶を所有することは、そのリスクヘッジとなる。また、(これまでも連携することはあったが)フェリー会社との一層の連携も視野に入れている。

JR貨物 共同新造・保有する貨物船
JR貨物がセンコーグループホールディングスと共同で新造・保有する貨物船のイメージ(画像:JR貨物提供)
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