その駅舎を出ると、駅前広場にはアパホテル。そして北側に延びる商店街。これがいわゆる街の中心市街地で、くだんのやきとりを食べさせてくれる店もこのあたりに集まっている。かつては駅の西側には出入り口がなかったため、箭弓稲荷神社への参拝客は東口から出て踏切を渡ったという。
「東松山周辺はハイキングにちょうどいい丘陵地帯になっていまして、毎年秋に行われる日本スリーデーマーチは、地域を代表するイベントです。ここ数年はコロナ禍などで中止・縮小されたこともありましたが、街全体が盛り上がるでしょうし、駅としても楽しみにしています」(宮田さん)
東松山が舞台の日本スリーデーマーチは1978年にはじまった歴史ある大会で、東松山を中心に森林公園や吉見百穴など比企丘陵をぐるりと巡る。2023年の日程は11月3〜5日。毎年参加する愛好者も多く、帰りがけには翌年のホテルを予約する猛者もいるのだとか。3日間たっぷり歩いて汗を流し、名物のやきとりに舌鼓をうって東上線で帰路につく。それがスリーデーマーチの黄金パターンである。
「今年は4年ぶりに夏祭りも盛大に行われまして、本当にたくさんの方が来られていました。スリーデーマーチも盛り上がるといいですね」(宮田さん)
高坂駅には何がある?
そしてもう1駅池袋側の高坂駅には「大東文化大学東松山キャンパス前」という副駅名がある。つまり、大東文化大学の最寄り駅、というわけだ。
「そうですね、高坂は大学の街というイメージがありますよね。実際、多くの学生さんにご利用いただいています。一見すると新しい駅ですが、歴史としては1923年に開業した古い駅。鉄道開業以前から町があったんです」(宮田さん)
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