中国が短期間で技術大国へ成長した「驚きの戦略」 官民一体の「かえる跳び」で世界覇権を目指す

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中国政府は、このリープフロッグ現象を意図的におこします。リープフロッグをおこしやすい新しい技術領域を選択し、その特定企業に集中的に技術と資本を投下し、その開発を加速させます。つまり、中国政府と民間企業がいわば共犯的な関係でイノベーションをおこしていくのです。

これは消費者のためのイノベーションではありません。中国共産党のためのイノベーションであり、軍事技術のためのイノベーションです。

ビッグデータをAI開発に集中投下

中国の官民一体型のイノベーションには、どのようなメリットがあるでしょうか?

例えば、AIと自動運転の技術があります。AIの自律的な思考・学習を進化させるためには、より多くのデータが必要になります。

中国政府は、ECサイトを運営するアリババやメッセンジャーアプリ「ウィーチャット」などを展開するテンセントが保有する膨大なデータを吸い上げることができます。

これらのデータをAI開発のために使います。自動運転システムを開発しているバイドゥなどにこのデータを提供し、リープフロッグを後押しするわけです。

もちろん中国は軍民融合ですから、自動運転の技術は軍事に応用され、無人戦闘車両や無人戦車がつくられることになります。

アメリカではこうはいきません。ちなみに、グーグルはAI技術の軍事転用には反発しています。2018年6月、グーグルは「AI運用の7原則」を発表し、軍事への技術提供をしないことを決めました。

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