2014年4月19日のドローン攻撃で殺害された4人の罪なき市民の1人、ナシルの父親は「私の息子たちはアルカイダと何の関係もない。仕事に向かっていただけだった。なぜ米国機は彼らを攻撃したのか」と嘆いた。
2013年8月1日にワディ・サーで米ドローン攻撃によって息子を失ったイシャクは「彼らはただ殺す。自分たちのミサイルが引き起こした惨事をわかっていない。私たちの家族にもたらした苦しみに気づいていない」と語った。
ドローン攻撃は逆効果である
米政府がドローン攻撃について沈黙を守り続けることが、イエメンやほかの国々では米国に不利な形で受け止められている。シラト・アル・ジャラの村民、モクベルは「米国はこの貧しい村で新たな殺人兵器をテストしている。人命に価値がある場所ではできないからだ。ここでは私たちに価値はない」と語った。
2013年2月、オバマ政権のテロ対策担当補佐官だったブレナンは、米国中央情報局(CIA)長官の指名承認のための上院公聴会で、「透明性の確保のため」米国は誤って殺害した事例を公に認知しなければならない、と証言した。彼はその後、米国政府は「アルカイダを標的とした米国の攻撃に起因する市民の死者数の合計を公表するべきだ」と認めた。米国はどちらも実行していない。
ナシルのように母や父や息子や娘を失った市民が、米国に対してだけでなく、攻撃に同意したイエメン政府にも怒りを向けるのは当然だ。ドローン攻撃はかえってアルカイダ支持を強化する可能性がある。
今年に入って米国はドローンの輸出に関する新政策を発表した。が、「ドローンによる死」が示すように、米国自身が国際法や自国のガイドラインさえ守っていない可能性がある。
現時点で米国は、ドローン攻撃が市民にもたらしている影響を認めることを拒否し続けている。だが最低限、イエメンで行使しているような秘密主義で、もしかしたら不法でもあるドローン戦争のモデルを他国に輸出するべきではない。
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