水を買う時代に「サントリー天然水」が首位の訳 平成元年より40倍に拡大した水市場
その理由について、サントリー天然水のブランドマネージャー、サントリー食品インターナショナルの平岡雅文課長は以下のように語る。
「水を買って飲む行為が浸透したからといえます。ミネラルウォーター市場は年々拡大しており、他の飲料に比べて温度が変わっても味の変化がないという特徴があります。今年1~7月までの飲料総市場は、価格改定の影響もあり、前年比2%減ですが、同時期のサントリー天然水の販売は前年比5%増と好調に推移しています。
ただ、ミネラルウォーターは携帯用のペットボトル(多くは500ミリリットル)と2リットルの大容量では消費者意識が少し異なり、最近は大容量より小容量が伸びています。
携帯用ペットボトルでは、消費者はなじみがあるブランドを選ぶ傾向にあり、若い年代ほどミネラルウォーターは身近です。当社が2022年に実施した調査では、最初にミネラルウォーターを飲んだ理由として“家にあった・家族が飲んでいた”と答えた人は20代では62.1%、40代では28.7%でした」
水→炭酸水→果実飲料とフレーバーに広がり
サントリー天然水の認知度向上の背景には、フレーバーの広がりもあるようだ。
サントリーが「サントリー天然水」を発売したのが1991年。2013年に炭酸水(商品名:サントリー南アルプスの天然水 スパークリング)、2014年にフレーバーウォーター(同:サントリー南アルプスの天然水&朝摘みオレンジ)を投入した。
さらに2022年5月に天然水ブランド初の果実飲料として、「サントリー天然水 きりっと果実」を発売。2023年4月には、1日不足分の食物繊維を補給できる「サントリー天然水 ファイバー8000」も発売した。天然水ブランドの売り上げの大半はミネラルウォーターだが、こうしたプラスアルファ要素への挑戦がブランド価値向上に寄与しているのは間違いない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら