7カ国の亜女子が語る、日本人の「ここがムリ」 その「常識感覚」にアジアの同僚は辟易かも

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自国民のことを「謙虚で礼儀正しい」と評価するのは、経済が急速に発展しているミャンマーだ。とにかく、仏教の教えが深く根付いていて、いいことをしたら功徳、悪いことをしたら自分にいつか返ってくると信じている。年配者を敬い、年寄りの前を通るときは、頭を下げ、腰を低くして通る。年上でなくとも相手を立て、優勢にすることが多いという。

対して、「わが国の国民は、礼儀が悪い」ときっぱり言うのは、中国(上海)の亜女子。道にゴミを捨てる、信号無視する。自分勝手、個人主義などという言葉も複数挙がった。礼儀の悪さという観点では、インドネシア人は「規則を守らない」、マレーシア人は「忍耐力がなく、列の横入りが好き」などという各国亜女子の自国分析もあった。

バンコク女子「『微笑み』がタイ人流の謝罪」

「微笑みの国」と言われるタイは、日本人からすると少し「微笑みすぎ」のところがあるかもしれない。「タイ人のウエイトレスがあなたのスカートに水をこぼしても、何の言葉もなく、ただ微笑む。笑ってごまかしているわけではなく、それが謝る形だと思っている」(バンコク・プレイスさん・23)。それを知らないと逆切れしそうだ。

今回のインタビューで特に目立った回答は、「時間にルーズ」という自国の短所と開きなおるものだ。暑い国だから仕方ない、5分や10分遅れることは大したことではない、そもそも日本人が神経質すぎるのだ、等々……。10分程度の遅刻であれば、到着してから「渋滞だった」と報告すればいいという考え方だ。

マレーシアでは、時間どころか、日付を守る習慣がないという。官庁や役所でもそうらしい。「何事も自分のペースで成し遂げる」(クアラルンプール・イーチェンさん・34)というのが国民性なのだそうだ。

また、「上司が今日中にこの仕事を仕上げるように、と伝えても、それぞれの分担を与えなかったら、混乱して仕事の優先順位がわからなくなったり、誰かがやってくれると思ったりして、結局1日の終わりには何も出来上がっていないことがしばしば」とは、ホーチミンのマルさん(25)。これも頭に入れておきたい。

日本とアジアの常識の狭間で、亜女子たちが口々に言うのは、やはり日本人と仕事をするときは、「時間」と「年功序列」にものすごく気を使わなくてはならないということだった。

今回亜女子から出てきた意見には、共に働く日本人に対する「おびえ」が透けて見えるものが複数見受けられた。ビジネスパートナーとして、現地の社員にもジャパンクオリティを求めるのは当然かもしれないが、彼ら・彼女らの胸のうちを理解しておくことも重要だろう。

山本 貴代 女の欲望ラボ代表 女性生活アナリスト

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やまもと たかよ / Takayo Yamamoto

女の欲望ラボ代表、女性生活アナリスト。静岡県出身。聖心女子大学卒業後、1988年博報堂入社。コピーライターを経て、博報堂生活総合研究所上席研究員。2009年より「女の欲望ラボ」代表。主に10代から70代までの女性をネットワークし(一部男性もあり)、eメールにより本音を収集。専門は、女性の意識行動研究。2014年春より、博報堂と恊働で亜女子(アジア女子)研究のプロジェクト「博報堂亜女子会議」を立ち上げ、現在7カ国のアジア女性と日々メール文通をしている。著書に『女子と出産』(日本経済新聞出版社)、『晩嬢という 生き方』(プレジデント社)、『ノンパラ』(マガジンハウス)、『探犬しわパグ』(NHK出版)。共著に『黒リッチってなんですか?』(集英社)『団塊 サードウェーブ』(弘文堂)など多数。

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