「現在のEV市場では、超急速充電に対応した車両はまだ少ない。800ボルトの高電圧システムを車両と充電装置に組み込む必要があり、高い追加コストがかかるからだ」
財新記者の取材に応じたある自動車メーカーの部品調達担当者は、超急速充電をめぐる現状をそう話し、次のように続けた。
「超急速充電に対応するには、車両側に炭化ケイ素(SiC)などの(高電圧に対応可能な)部品を採用する必要がある。SiCはコストが高いだけでなく、安定供給の問題も抱えている。製造時の歩留まりが低く、(EVメーカーの)需要に供給が追いついていない」
気温マイナス10度でも急速充電可能
この担当者によれば、CATLの神行超充電池は(相対的にコストが安い)400ボルトの急速充電システムに対応しており、EVメーカーにとって魅力的な選択肢だという。
別の自動車メーカーのエンジニアは、一般的なリン酸鉄系電池が低温下での充電に時間がかかるのに対し、神行超充電池は気温がマイナス10度でも急速充電が可能だと明かした。「これは大きなブレークスルーだ」と、このエンジニアは高く評価する。
なお、上述の2人の自動車メーカー関係者は、神行超充電池の価格水準については明かさなかった。CATLによれば、新型電池は2023年中に量産を開始し、2024年1~3月期にはEVメーカーの車両に搭載されるという。
(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は8月17日
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