秋本議員「風力発電汚職」疑惑から見える深い闇 政治家絡みの捜査で自民内権力闘争も絡む?

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捜査の対象が、政府が再生可能エネルギー普及の「切り札」と位置付ける洋上風力発電を巡る政治家と事業者との疑惑とあって、岸田政権を直撃。強制捜査の直前の3日夜に海外出張から帰国した秋本氏は、捜査当日の4日に外務政務官を辞任。さらに翌5日には自民党も離党したが、その間も疑惑についての釈明はせず、雲隠れを決め込んだ。

これに対し、茂木敏充・自民幹事長は「今回の件は極めて遺憾で、秋本議員は説明責任を果たし、事案の解明に努めてほしい」と党としては突き放すコメントを繰り返した。一方、野党側は安住淳・立憲民主党国対委員長が「利益誘導の舞台は国会なので徹底的に追及したい。自民党は責任を持って調べて報告すべきで『離党したから関係ない』というほおかぶりはダメだ」と批判するなど勢いづいた。

贈賄側の社長が否認から一転、容疑認める

今回の特捜部捜査の経緯を検証すると、まず捜査対象となった秋本氏は、2012年12月の衆院選初当選による中央政界デビュー時から自民党なのに脱原発を掲げて注目された人物だ。その後も当選を重ね(現在4期目)、2017年8月から国土交通政務官として洋上風力発電普及のため、再エネ海域利用法の制定を後押ししたことなどが今回の収賄疑惑につながった。

その一方で、日本風力開発が秋本氏への贈賄容疑で強制捜査受けた時点では、塚脇社長の担当弁護士が「秋本議員側に賄賂を贈った疑いがあるという指摘はまったく事実と違う」などと強く主張したと報じられた。しかし、秋本氏が約4年前にも塚脇社長から別途約3000万円を受け取っていたことなどが発覚すると、塚脇氏が特捜部の任意の事情聴取に対し一転して贈賄を認め、塚脇氏の弁護人は辞任した。

この経緯について司法関係者は①塚脇氏は2021年以降、秋本氏らが立ち上げた馬主組合に計約3000万円を提供②そのうちの約1000万円は秋本氏の衆院議員会館で同氏自身に現金で渡した――などと指摘している。

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