400超の有人島に「上陸」した彼の偏愛ストーリー 「現実逃避だった」島めぐりが仕事の潤滑油に
「エンジニアの仕事をおろそかにして島で遊んでる人だって、思われたくないんですよ。
最近はテレワークが普及したので、離島でもネット環境があれば仕事はできるようになりました。だからこそ、プロのエンジニアとして、仕事の手を抜くわけにはいきません」
心と体のバランスを保つ「二足のわらじ」
1990年に山岡さんがエンジニアになって以降、社会は目まぐるしく変わり、仕事はより高度に、複雑になっている。
95年にはWindows95が発売され、同時に一般社会にインターネットが普及し始めた。その後99年のITバブルを経て、2000年代にはFacebook、Twitter、YouTubeなど、現代社会のインフラと呼べるようなSNSが立ち上がる。
そして現在、ChatGPTを始めとする生成AIなどのサービスが開始され、今後社会を大きく変えていくだろう。
システムエンジニアとして、これからも常に新しい技術を学び続け、変化に対応し続けていきたいと山岡さんは語る。
一方、離島をめぐり写真を撮り続けるという活動も、いつのまにか単なる趣味から逸脱し始めていた。
山岡さんはフォトコンテスト入賞者の常連になり、大手カメラメーカーNikonが主催する「ニッコールフォトコンテスト」で、第46回ニッコール大賞を受賞するまでになった。
撮り続けた離島の写真は写真集として発売され、23年7月には人気バラエティー番組からのオファーを受けて出演することに。ゴールデンタイムのテレビ電波に乗って、山岡さんの離島への偏愛が日本全国に届けられた。
今、山岡さんの離島写真は趣味を超え、生活を支える片輪になろうとしている。
「島は、何度行っても新しい発見があります。
同じ島でも、初めて行ったときは曇りだった空が、二回目に行ったときに真っ青に晴れ渡るとします。そうすると、一度目に見たときの海とはまた違う輝きを見せてくれます。
同じ島でも行ったタイミングによって、出会う人も、景色も、そこに住む猫でさえ変わっていくんです」
たとえ、世界中全ての島を制覇しても「新しい発見のために、きっと何度も島を訪れるんだろうと思います」と山岡さん。
システムエンジニアと離島写真家。二足のわらじを履いた山岡さんの離島への愛はまだまだ続きそうだ。
文/宮﨑まきこ 写真/山岡成俊(ご本人より提供)
編集/玉城智子(エンジニアtype編集部)
エンジニアtypeの関連記事
藤井聡太叡王×Turing山本一成が語るAI時代の突破力「挑戦を楽しむ姿勢を大事にしたい」
クラファン目標額1000%達成「ChatGPT×逢妻ヒカリ」課題はヒカリちゃんの”意思”の開発【小城久美子×Gatebox武地実】
「役割に縛られすぎない」が、キャリアも世界も面白くする。“NOT AN ENGINEER”な思考【NOT A HOTEL・CTO大久保 貴之】
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら