DJ SODAさん、日本と韓国で続く「二次加害」の酷さ 日本では女性も性加害に対する認識が低い

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韓国でDJ SODAさんに続いて報じられたのは、台湾人観光客への日本人男性による性被害についてだった。8月12日、73万人の登録者がいる台湾の2人組のユーチューバーが自身のチャンネルに「大阪でセ●ハラに遭いました」というタイトルの動画をアップし、「これは国際#MeTooです」と訴えていた。

動画では、8月11日、大阪の通天閣の前で、ユーチューバーのひとり、尼克さんの妹が写真を撮ろうと少しかがんでいたところ、「近くの飲食店から出てきた男性が妹のスカートをめくり、手を入れてお尻を触った」と伝えている。

そして、「いちばん悔しかったのはこの場面をカメラに収めることができなかったこと。だからその男をカメラで撮った」と話し、その男性と一行の姿を映し出していた。警察にもすぐに通報しており、警察とのやりとりも動画にでてくるが、意思疎通がうまくいかず、防犯カメラの内容を確認することができなかったという。

尼克さんと共にチャンネルを運営しているASHLYさんは動画で、「信じられなかったのは彼らのグループの中には女性もいたのです。その女性は止めることもなく、ただ見ていました。女性同士なのに少しの思いやりもありませんでした。共犯といえると思います」と話していた。DJ SODAさんの性加害者の中にも女性がいたとされており、あらためて日本での性被害への認識の低さを痛感する。

被害に遭った尼克さんの妹は動画で、「私がスカートをはいていたから、ここの治安が悪いから被害に遭うんだと、そう思いたくないです。納得できません」と話していた。この動画は8月18日時点で147万回再生されている。

襲われた時、何を着ていたかは関係ない

DJ SODAさんが性被害について打ち明けた8月14日、国連広報センターはX(旧ツイッター)にこんなメッセージを出している。

「あなたは何を着ていたか?(What were you wearing?)」

この後には、「性的暴力のサバイバーが襲われた時、何を着ていたかは関係ありません」と続いている。こんな当たり前のことがなぜ共有されないのだろうか。

「MUSIC CIRCUS、23」を主催した「TryHard Japan」は、DJ SODAさんの投稿の翌15日には、事実関係を調査し、刑事告訴や賠償請求などの法的措置をとることを発表した。しかし、主催者側だけでなく、社会全体の問題として、性被害への意識、そして、二次加害について今一度、考える必要があるのではないだろうか。

菅野 朋子 ノンフィクションライター

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かんの ともこ / Tomoko Kanno

1963年生まれ。中央大学卒業。出版社勤務、『週刊文春』の記者を経て、現在フリー。ソウル在住。主な著書に『好きになってはいけない国』(文藝春秋)、『韓国窃盗ビジネスを追え』(新潮社)がある。

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