「iPodの父」が語るジョブズから教わった教訓 ものづくりの現場で意外とスルーされる「常識」
――本書ではネストをグーグルに売却して以降の混乱を赤裸々に綴っている。場当たり的な買収戦略、社員への手厚い待遇など、グーグル流の経営にはかなり辛辣だ。
大方の人がグーグルを評価するのは、株価しか見ていないからだ。株価が高いのは広告ビジネスという金のなる木があるからだが、広告以外にひとつでも本物のイノベーションを生み出しただろうか。
ユーチューブは買収した事業であり、スマートフォンのピクセルをはじめハードウェアはうまくいっていない。キャッシュが有り余っているから、他の収益源を育てようというプレッシャーが働かないのだ。
グーグル関係者からは「よくぞ書いてくれた」という声をたくさんもらっている。
アマゾンのスマホは誰も求めていない
――アマゾンCEOだったジェフ・ベゾス氏にスマートフォン開発を検討していると相談されたとき、「やめておけ」と進言し、アマゾンの取締役になるチャンスを棒に振ったというエピソードもあった。
アマゾンに限らず、メタ(旧フェイスブック)もスマートフォンを作ろうとしたが失敗した。重要なのは自らの強みをしっかり理解することだ。ある分野で秀でているからといって、別の分野でもうまくいくわけではない。
アマゾンを大好きなユーザーでも、アマゾン製ハードウェアを好きになるわけではない。他社の開発した優れたハードウェア上で動くソフトウェアを提供すれば十分なこともある。
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