京急品川駅、高架下で進行する「地平化」の大工事 電車が往来する工事現場から何が見えるのか

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連続立体交差事業が完了するのは2029年度末の予定。2023年7月時点では、品川駅南側の京急線とJR線に挟まれたエリアで重機などを載せる作業構台や、大型車両を現場に入れる通路などを整備。八ツ山跨線線路橋の東側では橋脚の基礎杭のための作業構台の構築を進めた。

京急本線 品川第一踏切と八ツ山橋梁
京急本線の品川―北品川間にある八ツ山跨線線路橋と品川第一踏切道(記者撮影)

京急電鉄鉄道本部建設部品川連立・泉岳寺駅担当の西山正英課長は「上を走る電車を支えながらその下で構造物を新設し、既設のものは撤去していく、という工事はあまり例がない。これだけ利用者が多い駅で、限られたスペースのなかで安全を確保し、工事をするのは非常に気を使う」と話す。石渡康一課長補佐は「線路が近接するJRや東京都、港区といった関係各所とも協議や連携をしつつ進めていく必要がある」と説明する。

複数の大工事が同時進行

品川駅周辺は複数の大規模プロジェクトが同時進行している。西口では2021年春に閉館した京急グループ運営の「シナガワグース」(旧ホテルパシフィック東京)の解体工事が進み、その姿はすでにない。跡地にはオフィスや高級ホテルが入る超高層ビルが建ち、トヨタ自動車が拠点を置く予定だ。

2023年5月にJR東日本は高輪ゲートウェイ駅周辺で進めるプロジェクトについて街の名称を「TAKANAWA GATEWAY CITY」に決定したと発表。2025年3月の「まちびらき」に向け準備を進める方針を示した。

また、JRの品川駅構内は北側コンコースに改札を2カ所増設、通路を拡幅するほか商業施設を整備する。JR品川駅改良と京急線地平化は2027年度の見込みで、JRの線路上空には歩行者広場が設けられる。

ひっきりなしに電車が往来する京急品川駅では現在、高架橋の仮設化が進められている。毎日駅を利用していると、かえって変化に気づくことが難しいかもしれないが、巨大なプロジェクトは少しずつ着実に進行している。

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橋村 季真 東洋経済 記者

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はしむら きしん / Kishin Hashimura

三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

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