京急品川駅、高架下で進行する「地平化」の大工事 電車が往来する工事現場から何が見えるのか
現在の品川駅では東側のJR線が地上、西側の京急線が高架となっている。JR線の上を横切り東口の港南地区と西口の高輪地区をつなぐ自由通路はたくさんの旅行者と周辺で働く人たちでにぎわっているが、西口付近で京急線の線路をくぐるために階段を上り下りする必要がある。
東京都が事業主体となって進める連続立体交差事業の区間は、品川・北品川両駅を挟んだ泉岳寺―新馬場間の約1.7km。2階部分の品川駅ホームをJR線と同じ地上になるよう「地平化」。130m北側に移動して、現在の2面3線から2面4線になる。
品川駅は地平化、北品川駅は高架化
ホーム延長は約221m、ホームの幅は約5m~12m。下り線が東側のJR線寄りになるため、泉岳寺―品川間の隣り合った上下線のトンネルを下り線のみ東側に移設する。引き上げ線も本線と同様に地平化する計画だ。羽田空港第1・第2ターミナル駅の引き上げ線整備とあわせ、1時間当たり片道3本の輸送力増強で空港アクセスの利便性向上を図るという。
一方、北品川駅周辺では道路と平面交差するために踏切を抱え、渋滞の原因となっている。連続立体交差事業では地上にある北品川駅のホームと上屋を高架化する。
品川第一踏切道と品川第二踏切道、北品川第一踏切道の3つが除却され、京急本線で都内にある踏切はすべて解消することになる。北品川―新馬場間の既存高架橋との接続部分は、線路上空に仮支柱と工事桁を構築しておき、切り替え日の夜間に工事桁をジャッキダウン。線路を上げた後に高架橋を本設していくという。
品川・北品川両駅の間にはJR山手線、京浜東北線、東海道線、横須賀線と東海道新幹線が通っている。事業では現在の八ツ山跨線線路橋(支間48m)の北側に傾斜が付いた支間99.5mの新たな橋を架ける。JR線や道路と立体交差し、かつ品川・北品川両駅の高低差を克服する線路の工事を、列車の運行に支障がないように進める必要がある。
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