自民税調会長が語る「相続・税金の今後の方向性」 「労働慣行変わる中、退職金控除見直しが必要」
相続税や贈与税の新ルール導入や変更を控え、税制への関心が高まっている。では、今後税制はどう変わっていくのか。自民党税制調査会会長の宮沢洋一参議院議員に、その方向性を聞いた。
──防衛費拡充の財源確保に向けた増税の実施を2025年以降に先送りすることを決めました。(景気好転などによる)税収増が影響しているのでしょうか。
政府の2022年度決算で税収が想定を上回ったことと、今回の防衛費のための財源問題は、直接には関係していない。見込みに対して実際の税収が増えれば、翌年度の剰余金が増えるという話であって、税収が増えた分が防衛費の財源になるということではない。
フレームワークの残り5%を整える
税収は右肩上がりに増え続けるものではなく、経済情勢によって増減する。一方、防衛のための歳出はずっと続いていく。法人、所得、たばこの3税で2027年度に1兆円強を確保する防衛財源のフレームワークは95%決まっているが、残り5%に関しては、これからスケジュールに沿ってきちんと整えていく。
法人税の改正を2024年4月から適用するには、秋に臨時国会を開いて法を成立させないといけない。しかしこれから党内で議論をして法案を出すには間に合わない。解散観測もあり、夏に税調を開ける状況でもなかった。