EV電池材料リチウム「先物価格」中国市場で急落 2024年以降は供給過剰になるとの観測広がる

✎ 1〜 ✎ 55 ✎ 56 ✎ 57 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

1トン当たり20万元のラインが注目されるのは、リチウム製品の需要家である電池メーカーにとって、それが心理的に受容しやすい(一定の利益を確保できる)水準だからだ。財新記者の取材に応じた複数の電池メーカーやEVメーカーの担当者は、「この程度ならコスト的に受け入れられる」と口を揃えた。

2024年はリチウムの供給量が世界的に増加する見込みだ。写真は中国の贛鋒鋰業が権益を持つアルゼンチンのリチウム塩湖(現地開発会社のウェブサイトより)

炭酸リチウムの現物市場では、2023年に入って取引価格が急落し、4月には一時的に1トン当たり20万元を割り込んだ。しかし5月以降は上昇に転じ、同30万元(約591万7700円)前後の水準を回復。7月24日時点の現物価格は同28万5000元(約562万1800円)だった。

市場関係者に悲観ムード

決済期限が2024年に跨がる先物価格が、現物価格に比べて大幅に低いという実態は、今後のリチウム相場に対する市場関係者の心理を反映したものと言える。2024年はリチウムの供給量が世界的に増加すると予想されており、市場に悲観ムードが蔓延している。

本記事は「財新」の提供記事です

先物取引大手の中信建投期貨のレポートは、グローバル市場のリチウムの需給は2023年末までは基本的に均衡が保たれるが、2024年から2025年にかけて供給過剰に傾く可能性が高いと予想している。

(財新記者:蘆羽桐)
※原文の配信は7月24日

財新 Biz&Tech

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ザイシン ビズアンドテック

中国の独立系メディア「財新」は専門記者が独自に取材した経済、産業やテクノロジーに関するリポートを毎日配信している。そのなかから、日本のビジネスパーソンが読むべき記事を厳選。中国ビジネスの最前線、イノベーションの最先端を日本語でお届けする。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事