1トン当たり20万元のラインが注目されるのは、リチウム製品の需要家である電池メーカーにとって、それが心理的に受容しやすい(一定の利益を確保できる)水準だからだ。財新記者の取材に応じた複数の電池メーカーやEVメーカーの担当者は、「この程度ならコスト的に受け入れられる」と口を揃えた。
炭酸リチウムの現物市場では、2023年に入って取引価格が急落し、4月には一時的に1トン当たり20万元を割り込んだ。しかし5月以降は上昇に転じ、同30万元(約591万7700円)前後の水準を回復。7月24日時点の現物価格は同28万5000元(約562万1800円)だった。
市場関係者に悲観ムード
決済期限が2024年に跨がる先物価格が、現物価格に比べて大幅に低いという実態は、今後のリチウム相場に対する市場関係者の心理を反映したものと言える。2024年はリチウムの供給量が世界的に増加すると予想されており、市場に悲観ムードが蔓延している。
先物取引大手の中信建投期貨のレポートは、グローバル市場のリチウムの需給は2023年末までは基本的に均衡が保たれるが、2024年から2025年にかけて供給過剰に傾く可能性が高いと予想している。
(財新記者:蘆羽桐)
※原文の配信は7月24日
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