ゴリラ研究から学んだ人間の本質は「共感力」 元京大総長・山極氏が語る「人間らしい学び」
人間とはどういう生き物なのか、人間らしい学びとは
こんにちは。今日は「人間らしい学びとは何か」というたいそうなテーマでお話しさせてもらいます。私は人間の本質とは何かを考えるために、長いことゴリラの研究をしてきました。ゴリラと人間の成長過程を比べてみると、人間とはどういう生き物なのかがよくわかります。
人間らしい学び、それは自己肯定感を育むこと、そして人間に備わる共感力を生かして他者と語り合うことです。
まずゴリラと人間の赤ちゃんを比べてみましょう。ゴリラの赤ちゃんは、生まれたときの体重が1.6キログラムほどです。そして3年間は母乳で育ち、うち1年はお母さんが片時も赤ちゃんを腕から離しません。一方、人間の赤ちゃんは3キログラムを超えて生まれてくることが多いです。ゴリラより重たく生まれてくる割には、人間の赤ちゃんもお母さんにつかまれないくらいひ弱です。乳離れは、ゴリラが3年から4年かかるのに対し、人間は1年から2年です。


















