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平気でマグロ食べる人が知らない資源管理の実態 クロマグロ以外は機能していない日本の漁獲枠

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  • 片野 歩 Fisk Japan CEO/東京海洋大学 特任教授
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クロマグロもサンマも同じ回遊魚ですが、資源が回復しているクロマグロでは、サンマが獲れない原因としてよくあげられる「海水温上昇」も「外国が獲ってしまう」も出てきません。

科学的根拠に基づく漁獲枠を設定すること。これが、北欧・北米・オセアニアなど水産資源をサステナブルにできている国々では共通しています。

一方で、漁業者に資源管理を任せる「自主管理」という日本のやり方で資源管理に成功している例を、世界の漁業・水産業者と話をする機会がある筆者は、見たことも聞いたこともありません。逆にその方法に驚かれ、陥ってはならないケースと、長年関心を持ち続けられているというのが現実です。

クロマグロ漁の最盛期に沖縄県で漁停止命令 

5月に沖縄で最盛期を迎えていたクロマグロ漁に停止命令が出ました。漁期は4月から7月までで設定されていましたが、それがシーズン真っただ中の5月に停止となりました。その理由は沖縄県に設定されていた147.5トンの漁獲枠の95.6%と上限に近づいたためです。

漁業関係者からは「怒りの気持ち」「漁師の話も聞いてほしい」「もう少し枠が欲しい」「声を大きくして訴えたい」などの怒りや不満の声が上がっていると報道されました。

科学的根拠に基づく資源管理や、漁獲枠を守る漁業は、北欧・北米・オセアニアなどの漁業先進国では当たり前です。しかし日本では水産資源管理に関する正しい情報発信がほとんどありません。そのため「せっかく獲れているのに、なぜ停止するの?」とおかしな受け取り方をされてしまうのです。

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