だが、ロシア市場における中国自動車企業の優位性をいつまで維持できるのかについては疑問が残る。
10年以上前、ロシアは一度、中国にとって最大の自動車輸出市場となったことがある。当時の中国企業は、部品の輸出から現地での組み立てまで優遇税率を享受することができた。しかし2008年に、ロシアが輸入自動車部品の関税引き上げなど一連の政策措置を導入したことで、中国自動車企業は優位性を失い、ほぼ全滅してしまった。
「海外進出」は誇大広告も少なくない
上海預致汽車コンサルティング総経理の張豫(ジャン・ユィ)氏は、「中国企業は海外市場のチャンスについて冷静に判断すべきだ」と考えている。現在、中国自動車企業の「海外進出」には誇大広告が少なくなく、海外販売を資金調達の仕掛けとして扱う企業も存在している。
中国市場は競争が激しいがボリュームは巨大であるのに対し、海外市場は各地に分散している。EVならいざしらず、ガソリン車に関しては自動車企業が開拓にかけた努力とリターンは比例しないと張豫氏は見ている。
(財新記者:安麗敏、陳立雄)
※『財新周刊』7月24日号より抄訳
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