なぜか慕われるリーダーが実践する「小さな工夫」 「5つのうち、2つだけ」伝えるのがなぜ良いか
それでは1つも伝えていないのと同じこと。そうなってしまうくらいなら、思い切って一番大事なこと、その次に大切なことだけを正確に伝えて全員に同じ問題点を共有させたほうがいい。
伝える際には、ネガティブな言葉を使わないことも大切だ。ミスをした選手にも、
「アレはダメだ! なんでもっと前で止められなかったんだ」
とは絶対に言わない。必ずポジティブになれる言葉を探す。
「次、行くぞ! 取り返すぞ!」
そう声かけして、前を向かせる。
そしてこれも大切なのだが、この時、自分の立ち振る舞いも意識しなければならない。
苦しい時ほど、リーダーの姿勢や声は、良くも悪くもチーム全体に影響を与えるものだ。リーダーが迷ったり不安なそぶりを見せれば、すぐに全員に伝染してしまう。自信無さげな様子では、言うことをどれだけシンプルにしようが、伝わらない。どんなにしんどい状況でも自信に満ち溢れて「逆にそのしんどさ、オレは楽しんでいるけどね」くらいに見せ続けること。それが相手に、自分の言葉を伝えてくれる。
目を合わせて「同じ画(え)を見る」
シンプルな言葉で要素を絞って伝えるのと同時に、チームメイトと「コネクト」する必要がある。
コネクトというのは文字通り、「隣の人と繋がる」「全員と繋がる」という意味だ。ラグビーの試合前や試合中――例えば失点直後などに、選手たちが全員で円陣を組んでいる光景を見たことがあるだろうか。
あの円陣をラグビーでは“ハドル”と呼ぶ。一見すると、野球やサッカーでもよく見る、気合を入れるための儀式のように思えるかもしれないが、ハドルは儀式でもポーズでもない。コネクトに必要な、勝利するために必要な大切な行動なのだ。
コネクトすることの最大の目的は、チーム全員を同じ目標にフォーカスさせること。チーム全員が頭の中で“同じ画(え)”を見るため――「どうやって勝つか」「そのためには何が必要か」「何をすべきか」というイメージを持つために必要なのだ。
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