その理由についてビッグモーターは「2022年7月14日の段階で、(事故車の)入庫が予定されている損保各社に自動的に割り振った結果、2社の(自賠責の)発行が停止した」からとしている。
つまり、損保ジャパンは事故車の入庫誘導が再開予定であることを、その時点でビッグモーターに伝えていたということだ。
同年7月25日、3社ともにストップしていたビッグモーターへの事故車の入庫誘導を損保ジャパンだけが再開した。
水増し請求された保険金の返還や、不正請求の対象になった車両の持ち主への説明をビッグモーターに求めてすらいない段階で、損保ジャパンだけが事故車の入庫誘導を再開したことになる。
まさに損保ジャパンはコンプライアンス(法令順守)軽視、顧客軽視という批判を受けても仕方がない。その点を金融庁は問題視しているわけだ。
金融庁の不興を買った任意報告
また、損保ジャパンは同時期に金融庁に対して水増し請求問題について任意報告している。
しかしその内容が、自社に都合よく矮小化し誤魔化したものになっていたことも、金融庁の不興を買っている。
実は、ビッグモーターが自主調査した関東地域の4工場すべてで水増し請求が発覚していたことを、任意報告の文書には記載していなかったのだ。
板金工場の作業員から内部告発があった千葉県内の工場だけでなく、無作為抽出した工場すべてで水増し請求が発覚したとなれば、当然ながら詳細な実態が不可欠で、早期の幕引きは難しくなる。
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