昭和シェル石油グループが太陽電池新工場の竣工式を開催、7月までに全ライン稼動で世界最大級の工場に

拡大
縮小

新工場の敷地面積は40万平方メートル。日立製作所がプラズマディスプレー工場として使用していた建屋を2009年末に買い取り、取得後に自前で一部を増床。そこにソーラーフロンティアが独自に開発した製造装置を搬入し、2月から商業生産を開始した。投資金額は1000億円に上り、すでに800名近い従業員が働いている。


■完成した製品にシールを貼るのもロボットの仕事

この新工場で作る太陽電池は、「CIS薄膜系」と呼ばれる新タイプの製品だ。スライスしたシリコンウエハを敷き詰めて作る一般的な「結晶系」の太陽電池とは違って、ガラス基板上に微量の銅やインジウムなどによる薄い合金膜(光吸収層)を形成したもの。大量のシリコンを必要とする結晶系の太陽電池に比べて、使用する原材料の絶対量が少なく、製造工程もシンプル。製造装置自体の投資負担は重いが、それを加味しても、「大量生産時に得られるスケールメリットは結晶系より格段に大きい」(栗谷川悟・ソーラーフロンティア執行役員技術本部長)と言う。


■工場内を走る自動搬送ロボット。工場に届いた材料・部材は機械によって自動倉庫にいったんストックし、必要に応じて搬送ロボットが各工程に自動的に補充する

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT