「婚活で宗教二世を打ち明けた」33歳女性の顛末 親の定めにとらわれず幸せになった人もいる

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理恵さんも、経験値が低かった学生時代には、自分が宗教二世であることをどのように伝えていいのかわからず、なかなかうまくいかないことが多かったと話します。

「今でこそ相手が怖がるポイントがわかるし、感情的にならず淡々と話せますが、昔は違いました。学生時代に初めてできた彼氏に打ち明けたときは、号泣しながら話してしまいました。

20代の頃に職場の男性と付き合ったこともありました。交際を申し込まれた際に実家の宗教の説明をして、『いろいろ面倒くさい家族だから覚悟がいるかもしれないけど、いい?』とポロッと言ってしまったんです。彼はそれを聞き、恋人としてはありでも結婚は無理だと思ったそうです。

たとえ結婚して子どもが生まれたとしても、その当時の私だったら夫に『実家には教団トップの写真が飾ってあって、親が孫に誰の写真か説明するかもしれないけれど、それは布教しているわけじゃないから』としか言えなかったと思います。でも今なら、実家に夫と子を連れて行くときには両親に『孫を連れて帰るから写真はしまっておいて』と根回しもできるはずです。

確かに、両親の信仰はどうにもならないことですが、私自身はもう脱会していますし、相手には迷惑や負担をかけない方法はいくらでもあります。これから結婚を考えている方は、それを上手に伝えて、理解してくれる人と関係を育んでいってほしいです」

宗教二世の結婚で幸せになった人もたくさんいる

この記事が、宗教二世で婚活中の方や婚活で知り合った相手から宗教二世であることをカミングアウトされた方の両方に届くことを強く願います。

「宗教名 結婚」で検索すれば、結婚は辞めたほうがよいという意見の記事が多く上位表示されます。でも、幸せになっている人がいるのも事実。信仰の違いを乗り越えて家族になった人たちの多くは、ネットに体験談を書いたりしないのです。

結婚を考えている相手がいるのなら、検索するよりまずは相手と向き合ってほしいと切に思っています。

菊乃 恋愛・婚活コンサルタント

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きくの / Kikuno

恋愛婚活コンサルタント。マンツーマン相談の他、大手結婚相談所や行政機関で婚活セミナー講師を行う。29歳まで手抜きを個性と取り違えたダメ女だったが、低レベルからの女磨き・婚活をつづったブログが「分かりやすい」と話題を呼び、2011年から恋愛・婚活コンサルタントとして活動。アメブロ公式ブロガー。相談者の約4割は一度も交際経験がない女性。著書に『あなたの「そこ」がもったいない。』(すばる舎)、『なぜか愛される女がしている73の習慣』(双葉社)、『7日間でとびきり愛される方法』(かんき出版)など。

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