自動車のテスラが放つ、新エネルギーの成否 なぜ電気自動車からエネルギー分野へ?

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マスクCEOは、電気グリッドを固定電話に、そして太陽光と蓄電池による電力獲得を携帯電話にたとえる。硬直したシステムから解放されるだけでなく、停電時や孤島でも電力を得ることができるという、次の時代の電力のあり方を描いているのだ。

テスラの業績を上向かせるか?

それでは、蓄電池のビジネスはテスラの業績を上向きに変える力を持つだろうか。

実際、蓄電池自体は広く歓迎されている模様だ。いよいよこれを機に、家庭でのエネルギー生産に火がつくかもしれないとする見方も多い。また、蓄電池は3年後にはテスラの電気自動車よりも売れて、同社を下支えすると見るアナリストもいる。

現在、自動車だけを見たテスラの業績は、先行きがはっきりしない。昨年は販売目標を下回って市場を驚かせたが、安い価格のモデルXが間もなく販売開始となる。また蓄電池と前後して中古車販売も手がけることを発表しており、収入源は増えるものの、大きな負債が気がかりだ。すべてはタイミングの問題だろうか。

テスラの電気自動車はシリコンバレーではちょくちょく見かけるものの、安くても7万5000ドル(政府補助金適用前)と、一般庶民にはまだまだ高値の華。ラグジュアリーさが目立つばかりだった。

一方、蓄電池の3000ドルという値段は、持続可能なエネルギーに熱意を燃やすテスラの存在をぐっと身近に感じさせるものになる。時代の要望に真にマッチして、身売りのうわさもあったテスラを救うことになるだろうか。その回答はそれほど長く待たずして出るだろう。

瀧口 範子 ジャーナリスト

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たきぐち のりこ / Noriko Takiguchi

フリーランスの編集者・ジャーナリスト。シリコンバレー在住。テクノロジー、ビジネス、政治、文化、社会一般に関する記事を新聞、雑誌に幅広く寄稿する。著書に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか? 世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』『行動主義:レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家:伊東豊雄・観察記』、訳書に『ソフトウェアの達人たち:認知科学からのアプローチ』(テリー・ウィノグラード編著)、『独裁体制から民主主義へ:権力に対抗するための教科書』(ジーン・シャープ著)などがある。

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