平気で「スーパーの弁当」買う人が見過ごす事実 アスパルテームは幅広い食材に使われている

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その食品、本当に安全といえますか(写真:syogo/PIXTA)
清涼飲料水、ガム、のど飴、ゼリーからスーパーなどで売られている弁当まで幅広い食品に使われている人工甘味料の「アスパルテーム」が先日、WHO(世界保健機関)の専門組織から「ヒトに対して発がん性の可能性がある」と分類され、話題となっています。本稿では、『新版「食べてはいけない」「食べてもいい」添加物』(大和書房)の著者で、科学ジャーナリストの渡辺雄二氏が、アスパルテームがそのように分類された経緯や、実際どういった問題があるのかを指摘します。

アスパルテームをめぐる議論は一応の決着

WHOの専門組織であるIARC(国際がん研究機関)は7月14日、飲料やお菓子などに幅広く使われている人工甘味料(合成甘味料)のアスパルテームについて、グループ2B「ヒトに対して発がん性のある可能性がある(Possibly carcinogenic to humans )」に分類しました。

これは、「ヒトにおいて発がん性の限定的な根拠がある」「実験動物において発がん性の十分な証拠がある」「作用因子が発がん性物質の重要な特性を示す有力な証拠がある」のうちのいずれか1つを満たす場合に適用されるものです。

アスパルテームについては、アメリカや日本などで長い間その安全性をめぐってさまざまな議論が繰り返されてきましたが、これで一応の決着を見たといえるでしょう。

ちなみにIARCでは、化学物質や食品などについて、発がん性に関して4つの分類をしています。グループ1「ヒトに対して発がん性がある(Carcinogenic to humans)」、グループ2A「ヒトに対しておそらく発がん性がある(Probably carcinogenic to humans)」、そして今回アスパルテームが分類されたグループ2B、さらにグループ3「ヒトに対する発がん性について分類できない(Not classifiable as to its carcinogenicity to humans)」の4分類です。

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