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省エネ「祇園祭」に協力、節電日本が頼る中国企業 「駒形提灯の灯り」に再生エネが使用された

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  • 浦上 早苗 経済ジャーナリスト、法政大学MBA兼任教員(コミュニケーションマネジメント)
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昨年EVから電気供給を受けた鷹山は、1827年以来200年近く巡行に加列しておらず、 この数年の間に体制を整えて昨年復帰したため、電源設備が新しくポータブル蓄電池への置き換えも容易だった。井上さんもそのことを把握しており、「最低でも1基は実施できると算段を立てていたが、そこからが難航した」と振り返る。

右から井上さん、鳥井さん、EcoFlow Technology Japanの寺井翔太広報部長(写真:EcoFlow Technology 提供)

その中で「うちはできるよ」と即答したのが、油天神山だった。油天神山保存会代表理事の鳥井芳朗さんは電気技師で、5~6年前に提灯の灯りをLED電球に変えた際に自身で分電盤を設計し、家庭用の100ボルトのコンセントから給電できるようにしていた。

祇園祭のごみゼロ大作戦に共感

LEDに変えたのは省エネだけでなく、提灯の色味をろうそくの明かりに近づけるためだったが、その時点で「宵山の3日間で数百円程度」まで電気代も削減しており、ポータブル蓄電池に転換しても省エネ効果はそこまでなかった。それでも面識がなかった井上さんの呼びかけに応じたのは、祇園祭ごみゼロ大作戦の活動に共感したからだという。

「ボランティアの人たちがごみの分別や回収をやってくれて、このあたりのごみも目に見えて減った。できることがあれば協力したいと思っていた」

14日午後7時前、観光客に「まだ灯りはつかないのですか」と聞かれ、鳥井さんは「ちょっと待ってね」とスイッチを入れた。提灯の点灯を見守った井上さんは、「2つの山鉾が再エネ点灯できたことで、今年様子見だったほかの山鉾もより前向きになってくれるのではないか」と期待する。

コロナ禍が収束し、今年は大勢の外国人観光客が無形文化遺産でもある祇園祭を訪れている。今後は環境配慮型の伝統文化として、世界にアピールしていきたいという。

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