テレビ朝日の報道が「マイルドブレンド化」? メディアが政府に牙を抜かれる異常事態

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もちろん、テレビ番組である以上、これまでもそうした範囲内でのコメントであることは番組側とコメンテーター側との「暗黙の了解」事項である。先日の古賀氏の爆弾発言は、明らかに「暗黙の了解」を逸脱しており、そのことで大きなハレーションが起きたと言える。

しかし、古賀氏は確信犯として一種の「電波ジャック」「言論テロ」を実現したわけである。こうした事件は本人が確信犯ならば防ぐ方法などないことはテレビ関係者ならばわかることだ。防ぐ方法があるとすれば、そうした「言論テロ」を起こさないような無難な人物をコメンテーターに据えることぐらいである。「コメンテーター室(仮称)」を作ったところで、この種の事故を100%防ぐことなど不可能だ。

会社の顔色をうかがうコメンテーターを起用?

それよりも「コメンテーター室(仮称)」の設置などという「再発防止策」を表明してしまったことで、報道機関としての牙を抜かれてしまったことのほうが問題だ。コメンテーターが「会社の顔色」などを見だしたら、とたんにテレビ番組はつまらなくなる。

ある問題を取材してその本質に鋭く迫り、それについてコメンテーターが見識を示して様々な論点や見方を提示する、というのが報道番組のあるべき姿である。そのコメンテーターの役割が著しく弱体化されてしまう方向に、今のテレビ朝日は向かいつつある。

『報道ステーション』では4月24日の安保法制をめぐるニュースで、政権に近い元外交官の岡本行夫氏をゲストコメンテーターとして登場させた。集団的自衛権の容認論をスタジオで展開させるなど、以前とはまったく異なる報道姿勢にベクトルを方向転換し始めている。

実は、テレビ朝日だけでなく、親会社の朝日新聞も似たような状況にある。

従軍慰安婦問題や福島第一原発事故での吉田調書をめぐる「記事取り消し問題」を受けて、日本初という「パブリックエディター制度」を4月から発足させた。記者らによる独善を防ぎ、多様な意見を取り入れるという建前だ。

4月27日の同紙の記事では社内1人と社外3人のパブリックエディターが所信表明を行うなかで、元NHKキャスターで外務報道官も務めた高島肇久氏が米軍の辺野古移設に賛成だと明言。菅義偉官房長官と初会談した翁長雄志知事の言葉を引用した4月6日の朝日新聞朝刊見出し「辺野古移設『絶対できない』」が「突出」していたと批判し、多様な意見を吸い上げるよう注文を出している。

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