中国「上海汽車」、欧州で現地生産に乗り出す背景 EVの輸出好調、2023年は20万台超の販売見込む

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「海外工場の建設に際して真っ先に考慮すべきなのは、現地の市場規模と自社製品へのニーズだ」(余氏)。その点、ヨーロッパの自動車市場は中国とアメリカに次ぐ世界第3位の規模を持つ。

MGブランドのEVは、スウェーデンやノルウェーの販売台数ランキングでトップ10に入っている(写真は上汽集団のウェブサイトより)

加えて、上汽集団が傘下の「MG」ブランドから2022年にヨーロッパ市場に投入した小型EV(電気自動車)「MG4」の売れ行きが好調なことが、現地生産の決断を後押しした。

貿易摩擦リスクを回避か

それだけではない。上汽集団が(このタイミングで)ヨーロッパでの工場建設計画を明かした背景には、ヨーロッパ市場での長期的な(貿易摩擦の)リスクを回避し、事業運営を安定させる狙いがあるとの見方もある。

というのも、中国製EVの競争力が急速に高まり、ヨーロッパの自動車メーカーや(自動車産業を所管する)政府関係者の警戒を招いているからだ。

本記事は「財新」の提供記事です

あるイギリスのメディアは最近、「ヨーロッパ市場で最も魅力的なEVは、中国工場で生産されたテスラか中国ブランドのMGだ」と、ヨーロッパ・メーカーの競争力低下を揶揄した。

このような辛辣な評価がヨーロッパの自動車産業に衝撃を与えるなか、業界内では「EU(欧州連合)が中国製EVに対して反ダンピング調査を検討するのではないか」との噂が囁かれている。

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は7月5日

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