IHIの相馬第一・第二工場は5月上旬に完全復旧へ【震災関連速報】
IHIは、東日本大震災で被災した福島県相馬市の相馬第一・第二工場を5月上旬に完全復旧させる。3月29日からは被害が軽微だった工場棟で一部稼働を再開していたが、5棟すべてで電源が復旧したため、5月の大型連休明けにも全面稼働に踏み切る。
同工場は、航空エンジン部品などを生産しており、世界の航空機メーカーや航空エンジンメーカーにとっては、部品の調達のために欠かせない重要な拠点だった。同工場で生産している航空エンジンの重要な部品であるタービン翼は、他社での代替生産が難しいという。
世界の航空エンジン3大メーカーである米ゼネラル・エレクトリック(GE)、英ロールス・ロイス(RR)、米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)のいずれとも取引があった。米ボーイングの新型旅客機B787向けのGE製エンジン「GEnx」や、欧エアバスの大ヒット機A320向けのRR、P&Wなどの共同開発エンジン「V2500」、ブラジル・エンブラエルのリージョナルジェット機向けのGE製エンジン「CF34」などが代表的だ。ちなみに、三菱重工業が約半世紀ぶりに取り組んでいる国産旅客機MRJ向けのP&W製エンジンでは取引関係はない。
これまでの納品遅れを取り戻すため、同工場では全面稼働後、早期に増産体制を構築していく。
(柿沼 茂喜 =東洋経済オンライン)
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