「ですから高校生のご利用が非常に多い駅ですね。500、600人くらいはいるんじゃないでしょうか。で、お隣の武蔵嵐山駅。こちらは歴史が非常に古く、1923年に開業しました。ちょうど2023年で開業100周年ですね。嵐山渓谷の最寄り駅でして、歩いても2.5kmくらい。ハイキングがてら、駅から歩く方も多いですよ。ラベンダー祭りなどもやっていて、観光のお客さまの多い駅です」
武蔵嵐山駅は、もともと菅谷駅の名で開業した。それが1935年に武蔵嵐山駅に改称。鎌倉時代初期の武将・畠山重忠ゆかりの地ということもあって、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が放送された2022年はそれ目当ての観光客も目立ったという。
現在の武蔵嵐山駅の駅舎は2002年に竣工した橋上駅舎。ただ、以前は地上に駅舎があり、古くからこの地域の中心だった駅西口側に建っていた。西口に出ると、いまでも地上駅舎時代の小さなロータリーが残っている。
そのロータリーからまっすぐ延びているのはこの町の目抜き通りなのだろう。にぎわいがある……というほどではないが、平日の昼間でも人通りもちらほら。周辺には昔ながらの住宅も多く、森林公園・つきのわ両駅と比べて歴史が古いことをうかがわせる。
ツバメも人も安心して暮らせる
「嵐山渓谷にはバーベキュー場やキャンプ場もありますからね。夏になると学生さんのグループも来られます。ひとりがクルマで駅まで迎えに来て、仲間は電車で合流、みたいな場面をよく見ます」
森林公園―武蔵嵐山間の区間では、関越自動車道がちょうど真ん中を貫き、国道254号唐子バイパスも通る。工業団地があることからもわかるとおり、電車と道路が交差して交通の便は申し分がない。それでいて、森林公園や嵐山渓谷など、自然にも恵まれている。東上線の池袋寄りの、いかにも都心のベッドタウン然とした沿線風景と比べると牧歌的だが、それでもなかなか悪くない沿線であった。
そして、そんな自然豊かなところだからなのか、森林公園駅では構内にツバメの巣がたくさん。子育てに励むツバメが駅の中を飛び交っていた。
「糞害につながってはいけないのでガードをつけて、そのままにしています。もうツバメもわかってるんだと思いますよ。気がついたらすぐに巣が出来ている。驚いたのは、垂直の壁のところにも巣を作れるんですね。こういうのどかな所ですから、お客さまにも比較的好意的に受け止めていただいているのではないかなと思います」
ツバメが安心して暮らせる森林公園、もちろん人間にとっても悪くない、というわけである。
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