世界初の革新的技術がドゥカティから生まれる訳 最先端エレクトロニクス技術の開発現場を訪問

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このようなドゥカティ方式、ドゥカティ・ウェイとも呼べるユニークな開発環境から、さまざまな世界初の革新的な技術が生み出されてきている。

TFTモニター
TFTモニターは、メーター表示のほか、ナビゲーションシステムとしても使用するため、繊細な表示が要求される(写真:Ducati Motor Holding S.p.A)

そして、市販車へ最新技術をフィードバックするため、レース参戦はドゥカティにとって大変重要な位置を占めている。それを実感する術として、このTech Talkプレゼンテーションを1日で終え、我々は週末のイタリアGPが控えるムジェロ・サーキット(アウトードロモ・インテルナツィオナーレ・デル・ムジェロ)へ向かうこととなったのだ。

ジャーナリストとサポート
今回のジャーナリストは世界中から集まった7名、そのサポートにあたる総勢10名以上が24時間体制でフォローをしてくれた(写真:Ducati Motor Holding S.p.A)
新型スクランブラー
国内発売間近の新型スクランブラーにも試乗。すべてが刷新されていた(写真:Ducati Motor Holding S.p.A)

本社のあるボローニャからムジェロ・サーキットへの移動には、最新のドゥカティ23年モデルが用意された。そのために私も日本からライディングギアを持参した。エミリア・ロマーニャの美しい景色を眺めながらのワインディング試乗は筆舌しがたいものがある。ムルティストラーダV4S、ディアベルV4、ストリートファイターV4から、日本では10月発売予定の新型スクランブラーまで十二分にライディングを楽しみながら目的地へ到着。美味しいディナーを楽しみ、翌日のムジェロ・サーキット訪問に備える。

23年モデル
ボローニャからの移動のために用意されたドゥカティ23年モデル(写真:Ducati Motor Holding S.p.A)

試乗で実感したドゥカティの満足感

前後するが、ホテル到着までのワインディングでは、全員がすべての23年モデルを体感できるように、30分ごとにマシンを乗り換えた。まったく違うセグメントのマシンに次々と乗るので、最初は戸惑うこともあったが、すぐにアベレージの高いレベルで走行可能なのがドゥカティの魅力。つまり、直感的にマシンを操れるマジックが組み込まれていることを実感した。実際にドゥカティ本社からわずか30分ほどで素晴らしいワインディングに到着するのだが、こういったあらゆる路面環境での実走行テストによって、マシンの最終的な操縦性の「味付け」も行われていることをうかがい、満足のユーザビリティの理由に納得がいった。

ワインディング
MotoGPイタリア大会が開催されるムジェロ・サーキットに向かう途中のワインディング、週末は1000台を超えるバイカーが集まる(写真:Ducati Motor Holding S.p.A)

そして、翌朝ホテルをムルティストラーダで出発し、ムジェロ・サーキットに到着。まずMoto Eレースを控えるMoto Eの専用パドックを訪れた。ドゥカティは今年から2026年までMoto E世界選手権に電動バイク「V21L」を供給する。初めて間近に見て、ここでは公開できない情報含めて、Eモビリティ・ディレクターのロベルト・カネー氏から興味深い説明を受けた。

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