世界初の革新的技術がドゥカティから生まれる訳 最先端エレクトロニクス技術の開発現場を訪問
ドゥカティとレースは切っても切り離せないが、モータースポーツへの参戦を通じて開発されたさまざまな新技術が、過去から現在のMoto GP常勝チーム「ドゥカティ・コルセ(ドゥカティのレース関連部門)」へ注がれ、さらに市販車へとフィードバックされ、私たちもその恩恵を受けているのである。
さらに驚くべきは電子制御システムのほとんどがドゥカティ社内で開発されていることだ。餅は餅屋で分業が進む世の中だが、「社内開発」とは驚きの事実である。
ドゥカティと最新テクノロジーの歴史
過去15年間にわたりドゥカティが最新テクノロジーの開発に投資し、イノベーションに貢献してきた事例は次のとおりだ。
2008年、「1098R」にモーターサイクル初のトラクション・コントロールを導入し、スーパースポーツのパフォーマンスと安全性のレベルを一段引き上げた。そのわずか1年後には「ストリートファイター1100」にLEDヘッドライトを世界で初めて採用。
2010年には「ライディングモード」を切り替えることでモーターサイクルの性質を自在に変更することができる機能を備えた「ムルティストラーダ1200S」を発表。
2011年モデルの「ディアベル」に採用されたTFTメーターパネルは、今ではあらゆるセグメントのモーターサイクルの標準装備となっているが、このときがモーターサイクル初搭載。
2012年には「1199パニガーレ」にフルLEDテクノロジーとエレクトロニック・エンジンブレーキ・マネジメントシステムを導入。
2014年にダイネーゼ(ライディングウェアやプロテクターなどを手がけるイタリアのメーカー)と共同開発し、ジャケットに内蔵したエアバッグとモーターサイクルが通信し、衝突・転倒時に瞬時にエアバッグ展開信号を送信するシステムを「ムルティストラーダ1200ツーリング」に搭載。
2018年にはブレーキング時にパワースライドをコントロールする、スライド・バイ・ブレーキシステムを「パニガーレV4」に導入。
そして2020年には記憶に新しい、アダプティブ・クルーズコントロール(ACC)とブラインドスポットモニターを備えたレーダー・システムを「ムルティストラーダV4」に搭載。快適で安全なモーターサイクルライフを牽引している。
今年2023年導入された革新的な技術として、エクステンデッド・シリンダー・ディアクティベーションシステムがある。2つのリアシリンダーバンクの作動を一時的に休止させることで燃費と発熱量削減に寄与するものだ。
今では当たり前となった多くの技術の多くがドゥカティ初というのは驚きであり、同時に納得するところでもある。
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