日経平均株価が将来5万円台になっても驚かない 7~9月相場が低調でも弱気になる必要はない
今回の相場を主導した外国人投資家も、昨年の7月こそ買い越しだったが、傾向としては7月は売り越しのことが多い。
日経平均も2021年7月は大きく下げ、2022年は7月に戻したものの、9月に大きく下げた。このように、7~9月の3カ月は1959年からの長期間の統計で見ても、最も低調な3カ月だ。
強気を維持して「下げたら買い」の姿勢で
この3カ月をどう乗り切るかが、今回の相場における投資収益を決める最大のポイントだ。投資家がいくら「将来の株価は高い」と思っていても、目先の3カ月が低調(下落)となった場合、強気を維持できるだろうか。
もし9月までの約3カ月が押し目となり、その後上昇となった場合、3カ月間の下落で振り落とされ、「手持ち株はいくらも残っていなかった」となったら、残念なことだ。逆に、十分な買い資金をそろえながら、例年とは違う今回の相場に、例年どおりの押し目を想定して買い逃すことも、それ以上に残念なことだ。
目先は米国株もかなり微妙なゾーンにいることは確かだ。7日に発表になった6月雇用統計に対する市場の反応を見ると、平均時給が前年比+4.4%と、予想の+4.2%を上回ったため「これではCPI(消費者物価指数、12日発表)が下がりにくい」として嫌気された。
しかし、非農業部門の雇用者数は前月比+20.9万人増と、予想を下回り、5月の同+33.9万人から大きく低下したので、「金融引き締めの長期化懸念が和らいだ」としてドル売り円買いの動きとなり、一気に1ドル=142円台前半までの円高となった。
上述のように、平均時給が予想以上だったことで、金利は上がっている。金利が上がれば本来はドル買い円売りになるはずだが、すでに織り込んでいたか、あるいは手じまいでドル売り円買いの動きとなった。
6月26~28日に開催されたECB(欧州中央銀行)フォーラムのパネル討論で、ジェローム・パウエルFRB(アメリカ連邦準備制度理事会)議長は追加利上げに肯定的な見解を示したものの、同国経済は景気減速の懸念も抱えている。
7月25~26日に開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)はデータ次第だといわれているため、データの蓄積期間である今の指標は、その瞬間の評価と同時に先を読んだ評価がぶつかり合って、株・ドル・金利の動きに理屈に合わないバラバラ感が出るようだ。相場には理論どおりのわかりやすいときとそうでないときがある。今の米国株は後者のそうではないときだ。
日本株も、同じようなわかりにくいときにさしかかったようだ。ただ、筆者に言わせれば、日本には「30年の眠りから覚めた日本株、1年や2年では終わらない」という呪文めいた確信がある。
その呪文を唱えながら、再びわかりやすいときが来るまで「下げたら買えばよし」だ。「日経平均の伸びが止まれば、個別物色の波が来る」と前向きに考えることが大切だ。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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