不動産投資「利回り5%以下」は破綻まっしぐら プロが「危険」と口を揃える5つの理由
投資家であり、不動産会社も経営する渡辺よしゆき氏が最近売却を手がけたのは投資のはずなのに、毎月5000円を支払っていたという物件。
「表面利回り4~5%と言われて購入した2600万円の物件で、家賃は月額8万8000円。そこからローンを返済、管理費、修繕積立金、固定資産税などを差し引くと毎月5000円を支払う結果に。4~5年払い続けてきたものの、さすがに辛いと売却を相談されました。残債は2400万円。それ以上の額で売りたいというご相談でした」。
収益が入るところか、支払いが必要な物件を買う人がいるのは不思議でならないが、世の中にはそうやって赤字を垂れ流している人が少なくないと渡辺氏。
さらに怖いのはその物件を三為あるいは四為業者(簡単に言えば転売業者)が買ったということ。指値が入り、それでも残債以上には売れた物件に利益を載せて転売すると考えると次に販売される額は安くても2800万円以上にはなるだろう。経緯から考えるとそれで利益が出るはずはないが、世の中には価格や相場、過去の破綻事例などを知ろうともせず、不動産会社の言いなりに購入する人が少なくない。
だから同じような手口にひっかかると前出の永井氏。
「2018年にかぼちゃの馬車事件が世間を騒がせました。これは女性用シェアハウスをサブリースで家賃を保証するからと相場以上の高値で売りつけ、その後に破綻した事件で、事件をきっかけにスルガ銀行の野放図な融資も発覚。ビジネスマン、初めて不動産投資をする人への融資が非常に厳しくなったというもの。不動産投資に関心のある人ならご存知だろうと思っていましたが、最近でも類似したトラブルを聞きます」。
たかだか5年前の事件の手口を調べも、知りもせずに多額の借金をする。金融商品や車その他の高額商品を買う時には慎重に商品を比較する人が、それが不動産になると比較どころか調べもせず、まるで赤子の手をひねるがごとく簡単に騙されるのである。
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