近所のレジャーでもお得、「青春18きっぷ」活用術 家族やグループも便利、「乗り鉄専用」じゃない

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東海道線 E233
海沿いを走る東海道線の電車。「青春18きっぷ」1回分は東京―熱海間往復でも元が取れる(写真:tarousite/PIXTA)

夏休みは遠方への旅行に限らず、お住まいの都市圏内でのお出かけをされる方も多いのではないだろうか。

そんな方々は、首都圏ならJR東日本の「のんびりホリデーSuicaパス」(2670円)、中京圏ならJR東海の「青空フリーパス」(2620円)、関西圏ならJR西日本の「関西1デイパス」(3600円)といった切符の利用を思い浮かべるかもしれないが、ここでJR線内に限ってはほぼ同じ効力があって安い、意外な切符の活用を提案したい。「青春18きっぷ」の活用である。

18きっぷはJRの普通・快速列車のみ乗り放題の5回分綴りの切符で、同一行程で5人で使うこともできる。5回分でお値段1万2050円。1回あたり2410円である。そのため「学生の長距離貧乏旅行向け」「乗り鉄が使うもの」というイメージが強いのではないか。

だが、「日程が連続しなくてもいい5日間有効のJR都市圏パス」と思えば、旅行はしない、私は乗り鉄でもない、という方にとってもなかなかいい切符ではないだろうか。複数人でも同時に使えるので、家族での近郊へのお出かけにも便利だ。

片道約70km以上なら18きっぷが安い

実際、18きっぷは都市圏内での日帰り単純往復でも片道営業キロが70.1km以上の区間なら元が取れる。幹線運賃で片道71〜80kmは1340円、往復で2680円だが、18きっぷ1日分なら2410円。1割ほど安くなる。

また、幹線運賃で1170円(61〜70km)の区間の場合、単純往復なら2340円で18きっぷ1日分のほうが高くなるが、往復に加えて1駅分以上乗れば2340円+150円=2490円で、少なくとも80円以上は安くなる。複数の場所を回るなら確実におトクだ。

18きっぷはもともと学休期の通学需要減少補填を目的につくられた切符なので、夏の発売期間は7月1日〜8月31日で、利用期間は7月20日〜9月10日となっている。特急列車は特急券を別途購入しても利用できないが、普通列車のグリーン車や座席指定制の臨時快速列車の指定席は、グリーン券や指定席券との併用で利用が可能だ。

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