トップは30万円!銀行員の「初任給」ランキング 賃上げ狂騒曲がメガバンクや地銀にも波及した
表は各行の大卒初任給(24年4月入行)を東洋経済が独自に集計したものだ。岩手・東北・北日本が22万円、千葉・京葉・千葉興業が23万円……。同一県内の地銀が、まったく同じ初任給引き上げを決定した例は、枚挙にいとまがない。すべてが偶然の一致というわけではないだろう。
横一線の賃上げは過去にも見られた。00年代、ほとんどの銀行の大卒初任給は17万4000円だった。08年以降、メガバンクが相次いで20万5000円に引き上げ、地銀もそれに追随した。
今回の賃上げラッシュが当時と異なるのは、引き上げ後の金額に大きなばらつきがあることだ。25万5000円のきらぼしや25万円の山陰合同など、メガバンク並みの初任給を提示する地銀も出現している。銀行ごとの経営体力や人的資本投資を重視する姿勢が、初任給の数字に表れている。
賃金テーブル全体の見直しにも
初任給の引き上げは見た目以上に人件費の重荷となる。既存の若手行員と給与水準が逆転しかねないため、賃金テーブル全体を見直す必要があるからだ。
幸い各行はこの数年、ベビーブーマーのベテラン行員が定年退職を迎える一方、新規採用を抑え従業員数の自然減を推進してきた。人件費に加え、店舗統廃合などで物件費も削減してきた結果、賃上げに踏み切る余力が生まれていたわけだ。
むろん、賃上げだけで優秀な新卒を呼び込める保証はない。銀行では住信SBIネット、他業界ではユニクロや三菱商事など、30万円台の初任給は決して珍しくない。硬直的な人事制度の改定など、若手人材確保のためにやるべきことは山積している。初任給引き上げは、その第一歩だ。
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