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銀行の悲願「金利上昇」で経営へのプラスは大 0.1%の上昇でも収益へのインパクトは大きい

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銀行の業績を押し下げてきた低金利政策。転換すれば経営へのプラスは大きい。

日銀の外観
足元の物価上昇率は、日銀が目標とする2%をすでに超えている(撮影:尾形文繁)

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『週刊東洋経済』7月10日発売号では「逆襲の銀行」を特集。金利上昇や株主圧力を受け、リテール改革でメスを入れる銀行などを特集した。
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「普通ならこんなチャンスは訪れなかった」。4月に就任した三井住友銀行の福留朗裕頭取は興奮気味に話す。「ついに金利がつき始める。国内は『宝の山』だ」。

長らく続いた低金利環境が変わろうとしている。昨今の物価上昇を受け、日本銀行が金融緩和政策を転換させる可能性があるためだ。

日銀が最初に手をつけると考えられるのが、国債買い入れなどで長短金利を操作するYCC(イールドカーブコントロール)。すでに2022年末、黒田東彦前総裁時代に長期金利の上限を0.25%程度から0.5%へ拡大した。野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「23年後半にも上限を再拡大するのが、市場のコンセンサス」と指摘する。

YCC修正なら銀行経営に追い風

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