2社が東証に新規上場。独自の事業で急成長をもくろむ。
『週刊東洋経済』7月10日発売号では「逆襲の銀行」を特集。金利上昇や株主圧力を受け、リテール改革でメスを入れる銀行などを特集した。
2023年春、2つのネット銀行が上場を果たした。住信SBIネット銀行と楽天銀行だ。低金利にあえぐ既存の金融機関を尻目に収益は堅調。時価総額は2000億〜3000億円と、上位地銀と肩を並べる。成長の原動力は、銀行の常識とは一線を画した独自のビジネスモデルだ。
住宅ローンでナンバーワンを掲げるのは、住信SBIネット銀行。23年3月期の実行額は約1.5兆円と、国内シェアは5%超を誇る。金利競争が激化する中でも付帯取引に頼らず、融資単体で採算を取る方針を掲げる。
同社の武器は実店舗を持たない身軽さだ。ネットや不動産会社からの紹介もあるが、住宅ローン実行額の約半分は、代理店契約を結んだ銀行代理業者経由による申し込みが占める。全国148拠点(3月末時点)に窓口を展開し、住宅ローンの相談や申し込みの受け付けを銀行代理業者が担う。
店舗の維持費や人件費がかからない
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