カナダ発「ルルレモン」が日本の旗艦店で大胆戦略 銀座旗艦店「大規模改装」で狙う2つの成長市場

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ギンザシックス店はメンズ商品の取り扱いを増やしたことに加え、インバウンド(訪日外国人)の受け皿としても日本展開における要衝となる。

ルルレモンの売上高構成比は、本拠地のカナダを含めた北米で約85%を占める(2022年度)。一方、伸び率で見ると北米以外のアジア太平洋や欧州の拡大が著しく、中でも存在感を高めているのが中国市場だ。

2022年度の中国市場の売上高は前期比30.9%増の6.81億ドル(約984億円)で、店舗数は117まで増えた。売り上げ規模では国別2位のカナダに及ばないが、100店舗以上を展開するのはアメリカ(2022年度末は350店舗)と中国のみとなっている。

ギンザシックス店では好調なメンズの売り場を2倍に増床した(提供:ルルレモン)

テューダー氏は「訪日観光客が東京に来て、まず行くのがやはり銀座。日本へのインバウンドはこれからどんどん増える。リニューアルした銀座店で多くの需要を取り込みたい」と意気込む。

日本政府観光局の推計によれば、2023年1~5月の訪日観光客は863万人と前年同期比の約22倍まで増えている。コロナ前の2019年1~5月の1375万人には届かないが、さらなる回復が期待できそうだ。

「大都市集中出店」の成否は

今後の日本での出店は東京都内が主軸となる。現在、東京23区内の南側は六本木店、東側はギンザシックス店が各エリアの「ハブ」店舗となっている。今後は小型店も増やし、ドミナント展開を進める方針だ。

現在、日本では8店舗を展開するが、そのうち5店舗が東京都内。他は大阪府などだが、国内の地方都市のすべてをカバーしているわけではない。そこで活用するのがeコマースで、コロナ禍をきっかけに成長が続いているという。

「eコマースを通して、日本全国のユーザーの動向を把握できる。未出店の地域でもeコマースの売り上げに勢いのある都市は、優先的に出店するという戦略も打てるようになる」(テューダー氏)

こうした大都市圏に集中した店舗戦略や、得意のコミュニティマーケティングで日本にどれだけルルレモンを浸透できるのか。日本での成長を見据え、新たな戦略が動き出している。

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山﨑 理子 東洋経済 記者

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やまざき りこ / Riko Yamazaki

埼玉県出身。大学では中国語を専攻、在学中に国立台湾師範大学に留学。2021年東洋経済新報社に入社し、現在小売り・アパレルを担当。趣味はテレビドラマのロケ地巡りなど。

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