原材料高と過当競争、道路復旧への険しい道のり


採算無視の過度な競争 地方の道路工事の現実

原材料高で採算低下に喘ぐ道路業界。このままでは被災地での工事も停滞するおそれがある。

道路を含めた土木工事会社の幹部が異口同音に訴えるのは、一部の過度な安値受注を放置している国土交通省や総務省の姿勢だ。発注者側の自治体は原材料高の現状を顧みず、「安くていいものを仕上げるのは当然という態度」(基礎工事会社幹部)。落札価格の幅を定める「予定価格」の引き上げは認めず、下限の目安となる「最低制限価格」を設けない自治体も多い。政権が交代しても、結果的に業界全般にはびこる低入札問題は、未解決の課題のままなのだ。

一方、原材料を供給する石油元売りからは、「道路工事を年度末の2~3月に集中させずに平準化してほしい」との要望が強い。ストアスを供給するタンクローリー車は合理化で台数が減ったため、アスファルトの製造プラントに運べない事態も起きうるという。震災を機に、全国で石油製品の安定供給の必要性が再認識されたが、震災後の復旧を急ぐなら、輸入増に加え、国内におけるストアス増産も検討すべきだろう。

むろん土木業界にも問題は残る。ダンピングまがいの安値受注をする会社がいるかぎり、
低水準な工事単価はつねに尾を引くからだ。

中央では目下、民主や自民党などの国会議員が超党派で、公共調達を適正化する法案を議員立法で制定すべく活動している。入札時の積算価格に幅を持たせるなど適正な利潤を確保できる入札方式を検討するのが狙いだ。三陸自動車道など幹線道路は開通したが、日常生活に密接に絡む道路の再建はこれから。道路工事会社が立ちゆかなくなれば、被災地の復旧もまた困難なものとなる。

(古庄英一 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済2011年4月23日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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